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14.Refusal~涙の理由
「あっ、いやっ!!」
「……やはり、まだ媚薬は最後まで抜けてませんね」
――え?
それは、どういう意味?
「ヘサーム殿は、媚薬の効果が切れるまで、貴方をここに置いておくつもりです。他の男たちに襲われないように……。でなければ、危ないこの時勢に他人を自分の寝室に入れるでしょうか」
……ヘサームが、オレを庇う?
オレを好き?
頭の中がクラクラする。
バシラさんが話す内容は、オレの思っていた内容とあまりにもかけ離れていた。
「オレ……は……」
オレは、ベッドの上に手をついて、不安定に揺れる体を支えた。
「はじめは、わたしもヘサーム殿のお気持ちを図りかねておりました。ですが、貴方にお会いしてみると、ご自身の意見に素直で、活発的でいらっしゃる。それゆえでしょうか、思わず守ってさしあげたくなるような、どこか危なっかしい雰囲気がおありで、とてもお可愛らしい方なのですね。ヘサーム殿のお気持ち、よくわかります」
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