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17.Refusal~涙の理由

 そう願いながら、オレは項垂れている男が誰なのかを知るため、ゆっくりと顔を傾ける。  だけど、やっぱりオレの予感が的中していた。 「ヘサーム!!」  腹に重傷を負っている彼の顔を確認したオレは、頭の中が真っ白になった。  慌ててベッドから飛び降りる。 「アティファ……か?」  駆けつけたオレに気がついたのか、ヘサームは少し顔を上げて、懐から硬い何かを取り出した。 「これを……」  震えるヘサームの手の中にある、『それ』を見たオレは、一瞬、自分の目を疑った。  だって……。  だって、それは……。  どんな苦しい時でも、それが傍にあると、勇気がわいたもの。  オレにとってかけがえのない、とても大切な宝。  それは人買いに奪われ、売られたかもしれない。  父さんの形見。 「オレのジャンビーア!? どうして、なんで、ヘサームが持ってるの?」

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