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4.Seek~傷負い人
頭がズキズキする。
「――いくらこういう生業だとはいえ、知っている人間が死に逝くのは御免だ。後にも先にもこういう無茶なことは二度としてもらいたくはないな」
ナジさんは乱れた前髪を後ろに撫でつけた。顔がやつれて見える。
ヘサームの熱はさっきまで一向にひく気配がなかったから……。
どうやら飲ませ続けた薬がやっと効いてきたみたいだ。
腹に受けた傷の痛みも、熱がひくのと同時に緩和されつつあるらしく、薄い唇から吐き出される息が、少しずつだけど落ち着いてきている。
「それにしても、だ。俺はもう面倒は見切れんぞ。熱は下がったし、コイツの面倒は君に任せるよ。何かあったら従者を寄越してくれ」
ナジさんはそう言うと、疲れ切った表情でヘサームを見下ろし、苦笑を浮かべた。
対するオレはっていうと、顔が熱いままだ。きっと顔は真っ赤になっているんだろう。
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