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11.Passion~アティファ
「それで君の母上のことだが、ナジに診てもらうといい。彼は医療のスペシャリストだから。それでアティファ、俺は君を養子にしたい。一緒になろう」
ヘサームと両想いになれたことで、嬉しくてひとしきり泣いた後、静かにそう言ったヘサームの表情はとても穏やかで、目を細めて微笑んだ。
オレが好きな、ヘサームの笑顔だ。
またその表情が見られて嬉しい。
それにそれに、オレと一緒になろうって、母さんのことも心配してくれてたんだ……。
あふれ出てくる感情は、絶えず流れ込んでくる。
「――っつ……」
返事。
返事をしなきゃ。
だけどダメだ。
嬉しすぎて、返事なんかできるはずがない。
込み上げてくる感情が喉につっかえて、声が出せない。
代わりにコクンと頷くと、薄い唇がオレの口を塞いだ。
オレは両手をたくましい体に回し、身をゆだねた。
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