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2.Harem~砂漠に咲く花

 今は、抜け荷の現場を押さえている最中だ。 「そこまでだ!! 覚悟しろっ!!」  青白い、月光だけが砂漠の砂を照らす中、抜け荷を売買している男20人ほどを、ワーリー王のヘサームが率いる兵士20人と一緒に囲んでいた。 「こうなったらやけくそだ。相手になってやる!」  抜け荷をした奴らは、ジャンビーアを腰から引き抜く。 「アティファ副隊長に続け!! 遅れるな!!」  みんなやる気満々だ。 「オレも負けるか!!」  オレも躍起になって、腰から父さんの形見であるジャンビーアを抜くと、卑怯な奴らを一網打尽にしていく。――だから、後ろで兵士たちが話している内容もまったく耳に入らないわけで……。 「はやくしろっ!! 副隊長に何かあったら、俺たち、ヘサーム様に殺されるっ!!」 「おいっ! 言ってるそばから、ヘサーム様が来たぞ!!」

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