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2.番外編~Passion
だけど少しも怖いとは思わない。
だってさ、オレを抱くのを急いでいるのはオレのことを好きっていうことでしょう?
それに、オレが知らないヘサームの一面を知ることができるんだ。
好きな人のことなら、どんな些細なことでも知りたい。
それが恋心っていうものだ。
らしくないヘサームを見ることができて嬉しい。
リップ音と一緒に、オレの口が解放された。
ヘサームとの距離が生まれる。
瞳孔が開ききった雄を感じさせる貪欲な目が、みすぼらしい貧弱なオレの体を写し出す。
そこで、オレは裸になったんだって気がついた。
ヘサームの背後にある窓からは、優しく輝く満月が覗いている。
いつもよりずっと明るい月の光が、ヘサームに組み敷かれているオレを照らす。
ヘサームにすべてを見られて恥ずかしい。
だけど、それだけじゃなくって、ヘサームにはオレの全部をもっと見てほしいと思う浅ましい自分さえもいる。
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