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3.番外編~Passion
熱い。
ヘサームにオレの体を余すところなくすべてを見られて、体が熱をもつ。
「美しい」
ボソリと、オレの耳元でささやく色香を漂わせた掠れ声。
耳孔から、吐息が直接入ってくる。
「……んっ」
くすぐったい。
両肩が縮む。
だけど、それは恐怖からくるものじゃない。
オレの体、すごく熱いから、きっと、顔も真っ赤だ。
今は夜。
昼間ほど細かな表情を見られることはない。
だけど、今日はいつもより明るい満月が空にある。
目が暗闇に慣れてしまえば、オレの表情なんてすぐにバレる。
現に、ヘサームはオレの顔が真っ赤だって、気づいたみたいだ。
細い目をさらに細くして、微笑むヘサームが見えた。
恥ずかしくて視線を逸らせば、それを合図にしたみたいに、ヘサームは動いた。
オレの両胸にある乳首のひとつに薄い唇が吸い付いた。
チュッて、リップ音が鳴った。
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