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悔悟 (5)
「尚さん倒れた時、店のスタッフの人が言ってたけど、別のバイトの子が体調不良で今週ずっと休んでてその間尚さんが連勤してたって、疲れ溜まってたんだろうな」
「プラス、ストレスが原因かな」
啓太の言葉に莉子はそう付け加えて、目の前に座る悠臣にちらっと視線を送る。莉子の隣に座る歩からも似たような視線を向けられ悠臣は何だか居た堪れない気持ちになった。
「つーか莉子さん、何で悠臣さんと一緒にいたんすか?」
悠臣と莉子が尚行の家に着いて早々軽くあしらわれた質問を懲りることなく尋ねて来て莉子はあからさまに顔を顰める。
「だからたまたま会ったんだって」
「そんな偶然、……あ!まさか二人、知らぬ間にただならぬ関係に、……だから尚さん気に病んで」
「そんなわけないでしょ!バカなの?」
「バカなんですよ」
間髪入れずに莉子と歩が突っ込みを入れているが、悠臣はそんなくだらない冗談に付き合う気力も今は無い。
「そんなことより、ここで皆んなで尚さん起きるの待ってたって仕方ないし、啓太さんと二人飲みは面倒臭いので尚さんも大丈夫そうなら俺はもう帰りますけど」
一番年下の歩が一番冷静に場を仕切っている。
「でも尚さん一人にするのはちょっとまだ心配だし、莉子さん残ります?」
「あたし明日朝から外せない用事あるのよねぇ」
スマートフォンでスケジュールを確認しながら申し訳なさそうに言ってから莉子は悠臣の方を向いた。
「……青木さん、お願い出来ますか?」
「え、俺?……良いですけど」
悠臣も莉子が残るものとばかり思っていたので急に指名されて驚いたものの、尚行と二人きりになる状況が気まずい以外は特に断る理由は無い。
「じゃあお願いします。念のため私の連絡先教えておきますね」
勢いに押され、言われるままに連絡先を交換し終えると莉子はそのまま立ち上がり帰り支度を始めた。
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