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第7話 鏡のお部屋
「郁、まず脱いでみて」
煌也に言われて、郁は戸惑いながら服を脱いでいく。
鏡の前で、じっと煌也が見ているなかで脱いでいくのは、恥ずかしい。
「……煌也も、脱いでよ」
文句を言うと、煌也は「オッケー。じゃあ、脱ぐよ」とさっと服を脱ぎ捨ててしまった。
週に三回ほどジムに通っているという煌也は、引き締まった身体をして居て、郁は、思わず見蕩れてしまう。
無駄な肉が一つもなく、その上、筋肉も付きすぎて筋骨隆々というのでもなかった。
煌也は、下着一枚という姿になった。全部は脱がなかったので、郁も、そうした。
「郁、下着、着たままするの?」
くすっ、と煌也が笑う。
「……俺だけ、全部脱ぐのはズルくない……? 煌也は、着てるんだし」
「なるほど。郁は、俺に脱いで貰いたかったんだね」
笑いながら、煌也が丸裸になる。郁も、脱がざるを得なくなって、仕方がなく、服を脱ぐ。
鏡張りの部屋は、どこに視線を逸らしても裸が丸見えで、恥ずかしい。
煌也は郁の手を引っ張って、立ったままで抱き寄せて、キスをする。体中、くまなくまさぐられて。息が上がっていくのを感じた。
「ん……」
煌也が腰を押しつけてきて、お互いの中心が、擦れ合う。柔らかかったその器官が、次第に、硬度を持っていくのが解った。
「あ……、ん……、煌也も、興奮してる?」
「そりゃ、勿論。郁に触ってて、興奮しないわけないだろう? ……それに、鏡のところで出来る訳だから」
くすくすと煌也が笑う。
「煌也、鏡の前でするの、好きなんだ」
「そうだね……郁がどんな風に可愛くなるのか、興味があるよ……きっと、郁も好きだと思うんだよね。……自分でも見たことない顔……絶対、興奮すると思うよ」
煌也が妙なお墨付きを出す。郁は、確かに落ち着かない気持ちにはなっているが、果たして、これが好きだろうか……とも疑問に思う。
けれど、今まで、煌也の与えてくれる快楽は、間違いがなかった。だから、信用していればいいだけだ。
「……ハプニングバーはさ」と煌也が、郁の後ろに手を伸ばしながら、囁く。いつの間に、仕込んでいたのか、直接尻にローションが掛けられ、するりと郁のナカに煌也の指が滑りこんでくる。
「ん……っ♥」
煌也の指が、するん、と入って来た、その感触に、期待が高まって、甘い声が出た。
「……ハプニングバーって、いろんなお客さんがいるから、カメラの持ち込みは禁止なんだよね。……うっかり、撮影されたら大問題だろ? ……だから持ち込まないんだけど……、郁のハメ撮りとか、見てみたいなと思うよ。郁、見られるの大好きだから―――ハメ撮りも興奮するだろうね」
「っ……やっ、ヤだよっ……っ!」
「出来ないから、残念なんだって……それより、こっち……、もう、準備万端だな」
うしろの出し入れをしながら、煌也が言う。
心なし、いつもより興奮しているような気がした。
たしかに、出し入れはスムーズだし、もう、奥にして欲しくて溜まらなくなっている。けれど、指は、するっと抜かれてしまった。物足りなくて、入り口が、ひくっと動く。
「……じゃ、膝をついて、お尻を高く上げてみて」
言われた通りに、膝をついて、お尻を上げた。
顔はベッドに押し当てた感じだ。
「もっと足を開いて……そ、お尻に手を掛けて、お尻、開いて見せて?」
指示されたことに、戸惑いながら、従ってしまう。
奥が、丸見えになっているのではないだろうか……と思うと、身体が熱くなる。奥まっている入り口が、普段なら触れることのない、店内のひんやりした空気に触れて、ひくっと動いた。
「……郁、見える? 鏡見て……ここ。郁のここって、こんなヤらしい感じなんだよ?」
鏡を示されて、確認した郁は、羞恥に、身体が燃え上がるように熱くなってしまった。
先ほどまで煌也の指が沈められていたそこは、赤く充血していて、ぱっくりと開いて奥まで見える。ものほしそうに、ひくひく動いているのまで、よく見えた。
「……っ……」
「すっごく、エロいでしょ」
煌也が満足そうに囁く。
「……じゃ、せっかくだし、まずは、この電動エネマでも……」
直接、ローションを垂らして、先ほど購入した電動のエネマグラタイプの玩具を、少しずつ沈めていく。
ひんやりした固い感触が、ゆっくりと入って行く。今まで持っていたバイブより、太くて、圧迫感があった。
「あっ……っ♥ っ……っんっ……っ♥ あっ、入ってくる……♥」
「郁、入るとこ、見えてる?」
鏡を見ていると、ゆっくりと不思議な形をした玩具が、入って行くのが見える。
勝手に、その玩具の質感を求めて、ナカが収縮しているのまで、鏡で見えた。
「……っ」
「郁の……ここ、すっごいえっちでしょ……みんなね、これ、見て興奮してたの。……郁も、興奮するでしょ? こんなになってるの……感じて気持ち良くなってるの、みんなにバレてるんだから」
「あっ……、あっ……っいわ、ないで……っ♥」
奥までぬるん、と入って来て、「あ……っっ♥」とひときわ大きな声が出てしまった。
奥の良い所を、刺激されて、押し潰されているのだ。
「っ……っあっ♥ 気持ち、い♥ ……っん♥」
「凄いね、郁。根本まで、ずっぽりだよ……それに、|会陰《こっち》も良い所に当たってるかな……」
鏡の中の郁は、尻を高々と上げて自らそこを広げながら、玩具を突き立てられていた。
息が上がる。
(あっ……、入ってるだけで……ヘンになりそ……♥)
ギャラリーが出始めているのが解った。
「郁、みんなに見えるように、ちゃんと持っててね」
煌也の甘い声を聞きながら「うん♥」と郁は素直に返事していた。
「……じゃ、電源、入れて上げるからね」
煌也は、手の中のリモコンを郁の前でひらひらとさせた。
こういう玩具は、普通、自分で電源を入れたり、振動のパターンを変えるのだが、今回のモノはリモコンで操作出来るようだった。
つまり……コントロールは、煌也の思うまま、ということだ。
荒い息を吐きながら、郁は、それが楽しみで興奮してきた。郁の中心が、これ以上ないほど、硬度を持って、赤く、固く、張り詰めている―――。
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