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第23話 目隠しと羽根

 視界が遮られると、感覚が、鋭敏になるようだった。  手首が拘束されているから、手探りも出来ない。 「郁、ちゃんと見えるように……ね?」  脚を開いていて、と煌也が囁く。煌也の体温が近い。けれど、煌也は、たやすくは触れてくれなかった。  耳や、首筋に、煌也の吐息が掛かる。尖らせた呼気が肌に当たる、軽い刺激に、ゾクゾクした。 「あっ……♥」  どこから、触れられるのか解らなくて、感覚が過敏になっている。 「まだ、息、吹きかけただけなのに」  煌也の笑い声が、腰に響く。低く、柔らかに響く煌也の声は、聞いているだけでも、興奮してしまう。 「っ……あっ……っ♥」  肌に、ふわっと何かが触れた。ゾクゾク、と背筋に震えが走って行く。 「んっ……っ♥」  この間、横川たちがしてくれた、羽根のようなふわっとした感触だった。それが、さわさわと、触れるか触れないかのところで、脚に触れる。 「ひゃっ………っん♥」  太腿が、ビクッと大きく震えた。 「あっ……♥ あっ……っ♥ んっ♥ あああっ……っ♥」  あちこちを、羽根で触れられる。そのたびに、身体が、びくんっと反応してしまう。 「すごいね、郁……ここ、はち切れそうだよ」  煌也が、郁の性器の先端を、指でくちくちと刺激した。 「っん……っあ、あっ……っ♥」  直接的な刺激を受けて、頭の芯に電流が走った。 「……あっ……っ♥」 「郁、まだ、イッちゃだめだからね。久しぶりなんだから、もっと我慢して……」  我慢、と言われて、郁は唇を噛む。  早く、もっと確かな刺激が欲しい。そして、絶頂を迎えたい。それなのに、直前で『お預け』を言われたのだ。切ない気分になってしまう。 「……っん、あ……、煌也……っ」 「イかないでね」  念をおしてから、煌也の指が、郁の乳首を摘まんだ。 「ん~―――――っ♥」  背中が弓なりに反りかえる。  絶頂感に襲われたというのに、郁の根本は、掴まれてしまった。 「あっ……っこ……こ、や……くるし……あっ……イきた……」  息も絶え絶えになりながら、郁は懇願する。 「まぁだだよ。ほら、乳首も、……虐めて欲しいみたいだから……ちゃんと、弄って上げないとね。郁、乳首好きでしょ」 「う、……うん……っ、乳首、好きぃっ♥」  シャツが寛げられて、直接、乳首を摘ままれる。 「ひゃっ……っん……っ♥」 「……乳首、真っ赤で……可愛く立ち上がってるよ」 「やっ……っ言わない……でぇっ……っ♥」  煌也に言われて、郁は、想像してしまった。これ以上はないほど、真っ赤に充血して、触れて欲しくて、はしたなく立ち上がった乳首。それを、ぎゅっ、と煌也に摘ままれて、押し潰されて。  ぺろんっ、と煌也の舌に撫でられた。 「あ……っん♥ あっ、……き、もちいい……っ♥」  煌也の舌は、柔らかくて、生暖かくて、ぬるん、とぬめるような感覚があった。  その舌に、乳首の根本からゆっくりと撫でられ、先端を、ちろちろと舐められている。 「あっ、……っあっ……っあ……っ♥ あっ……っ♥」 「郁ちゃん、本当に、乳首好きだね」 「……身体、真っ赤。気持ちよさそうだね」 「根本、握られてて………すっごいコトになってるよ」  ギャラリーの人たちの声がする。  全身の血液が、沸騰しているみたいに、身体が熱くて、ささやかな刺激にも、過剰に反応してしまう。 「っ……あっ……っ!」  乳首から首筋まで、羽根で撫でられて、身体が、びくびくと震える。 「っゃ……っや……っや♥ あっ……っん♥ ダ……っ、♥ イッ……っ♥」  ひときわ大きく、郁の身体が跳ね上がった。それと同時に、煌也が、手を緩める。絶頂を迎えて、煌也の手を、郁の精液が汚していく。どくどくと脈打つ。そのたびに、白濁が吐き出された。 「……郁、勝手にイッちゃダメだよ」  煌也が、笑う。 「あっ……だって……」  その時、郁の後ろに、冷たくて粘度のある液体が注がれた。 「っ……っ」  思わず、そこがきゅっと締まってしまう。 「あっ……」 「ここ、もしようね」  煌也の指が、すんなり入ってくる。 「っん……♥ あっ、こーやの、指♥」 「……郁、俺の指でも良いの……? じゃあ、こっち、上げないよ?」 「やっ……、煌也の、おっきいのがいい♥」 「でもまあ、ちょっと待ってて。まで、そっちは早いからね……うんうん、ナカはちゃんと柔らかいし、準備万全で良い感じだね……。ちゃんと、毎日してたんだ」 「うん……してるよ……?」  煌也が小さく笑った。 「いつも、どんな風にしてるの……?」 「えっ……ナカ……洗って、ローションを塗って、指で……」 「指はどんな風に動かすの……?」  今まで、こんなことを言わされたことはなかったような気がして、一度散ってしまった快感が、また、戻ってくる。その上、一度達していてかなり過敏になっている。 「その……指で、ナカを、かき回したり、出し入れしたり……奥の所を、押し潰したり……」  煌也が、指そこを押し広げるように、円を描くように動かしてみせる。  内壁が擦られて、郁は「あ……♥ んっ……♥」と甘い声を漏らす。 「……ナカは……どこが気持ち良い?」 「あっ……っ、壁の……擦られ……気持ち………い♥」  途切れ途切れに言う。煌也が、「そっか、こうやって、擦られるのが好きなんだったよね、郁は。出し入れも好きだよね」と言いながら、指を動かす。  郁は、ナカで、煌也の指が、好き勝手に動いているのを感じていた。  指は、三本。それがバラバラに動かされて、今までにない感覚を味わっていた。 「あっ……っ♥ それ……っ♥ ……あっ、んっ……っあっ……動かしちゃ……♥」  身体は、正直に煌也から得られる快感を求めて、奥は、きゅうきゅうと、煌也の指を締め付ける。締めれば締めるほど、摩擦が大きくなって、気持ちが良いのだ。 「あっ……♥ あああああっ♥ あっ……、きもち……♥ あっ……煌也ぁっ……っ♥」  郁は、無我夢中で、煌也の与える快感を貪っていた。

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