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第25話 郁のしっぽ

 後ろに入っているプラグは、そう大きなものではない。  勿論、指よりは質量が大きいものだったが……。 (あっ……っ)  郁は、ナカを意識してしまう。ナカは、ローションがたっぷりと注がれ、柔らかくほぐされている。少し、力加減を間違えると、するんと、奥に入れられたプラグが出ていってしまいそうになるからだ。 「……っあ……♥」 「あっ、郁。……これも、動くみたいだね。……ナカに入れた部分が、振動して、回転するみたいだよ」  煌也の言葉が終わらないうちに、ナカが、小さく振動し始めた。  ヴヴヴ……、とくぐもったモーター音が、身体の奥から聞こえてくる。振動されて、内部が、きゅぅっと締めてしまう。 「あっ……♥ ………んんんんっ♥」  内部……の比較的浅いところで感じる振動を、郁は、存分に味わう。まだ、穏やかな刺激だ。 「……郁、どう?」 「ん……っ♥ 気持ち良い♥ ……まだ、物足りない、感じ……」  正直に申し出ると、煌也が「じゃあ……」と言いつつ、操作する。 「っぁっ……♥」  内壁を擦り上げるように、レモン型した先端が、ぐるぐると回転し始めた。回転と、振動が同時に来る。 「あっ……っんんんっ♥ ナカっ、擦られてるっ♥」 「擦られて、気持ち良い?」 「うんっ……っ♥ あー……♥ ナカっ♥ 凄く、イイ……♥」  声を張り上げて、郁は快楽に身もだえる。内部の刺激に合わせて、ナカが激しく収縮していた。 「……郁ちゃんの、尻尾、ぐるぐる動いちゃってるね」 「郁ちゃん、プラグ……抜けないようにね……」  周りから声が掛けられて、郁は、ハッとした。ナカ……確かに、プラグがふとした瞬間に、ぬるん、と出てしまいそうだった。 「あっ……っ♥」 「……郁ちゃん、そのまま、お店のなか、お散歩してきたら?」 「犬は、お散歩が必要でしょ?」  お散歩……、と言われて、どくん、と胸の奥が期待で跳ねた。  この尻尾をはやしたまま……、電動プラグが、ナカでぐるぐると動いているまま……、店内を散歩する……。 (そんなの……ヘンタイみたい……)  ヘンタイみたいだ、とは冷静な部分では理解して居たが、その『お散歩』に興味があった。 「あ、いいね。郁……。お散歩してみようか?」  煌也が優しく問いかけてくる。  郁は、躊躇いながら……「うん」、と答えていた。  すぐに、目隠しが外される。手の拘束も解かれた。 「じゃあ、郁、まずは……ペッドの上、お散歩してみよう?」 「えっ……?」  ベッドは、確かにかなり広い。ベッド、というよれりはかろうじてクッションが効いている程度の、合皮素材の台のようなものだからだ。以前、ここで5Pしていた人たちがいたが、それでも、余裕で乗れるほど、ベッドは広かった。 「ここで……?」 「そうそう。ここで、四つん這いになって♥」  四つん這い……っ!  郁は、思ってもいない事を言われて、動揺する。 「いいねぇ、郁ちゃん」 「お散歩は、犬らしくしないと!」  ギャラリーの声も聞こえてきて、恥ずかしくなる。 「ほら、郁♥」  煌也に抱えられて、身体を起こされる。  あっという間に、四つん這いにさせられてしまった。  体勢が変わって、内部の刺激される感覚が変わる。先ほどより、固定されていない感じがあって、なんとなく、刺激は物足りない。けれど、プラグから出ているフサフサが、内腿を刺激して、身体がびくんっと跳ね上がった。 「おっ♥ 可愛いね、郁」  可愛いと言われて、悪い気分ではなかったが……このまま、犬のように、ここを散歩するというのは抵抗がある。 「ちょっと歩いてみて……後ろ、尻尾を落とさないようにしてね」 「……っ~っ!!」 「……二三歩で良いから♥」  煌也が、郁の耳を噛む。 「んんっっ……っ♥」  思わず、きゅっ、と後ろが締まって、刺激を強く感じる。  膝と手で身体を支え、お尻を突き出した形で……ナカを刺激され続けている。ナカをぐるぐるとかき回して、内壁を擦られているが、頭の中も、ゴチャゴチャになっている感覚があった。 「あ……っ♥」  おずおずと、四つん這いになって、ベッドの端まで向かう。 「っん♥ ……っふ……あっ♥」  歩く度に尻尾が揺れる。内腿が刺激されて、身体がビクビクと震えた。 「あっ……♥」 「おっ、可愛い雌犬だね♥」 「……郁ちゃん、こっちおいで♥」 「こっちに来たら、ご褒美上げるよ!」  ギャラリーたちがはやし立てる中、郁は、目の前が、チカチカしているのを感じていた。 (あ……、ダメ……、抜けないように……しないと……♥)  少し歩いて、中がとろとろで抜けてしまいそうになるのを、締め付けて、出て行かないようにする。  それを繰り返しているうちに、郁は、プラグが、アナルのトレーニングの為に使われるというのを、まじまじと実感していた。 「んん……っ♥」  力が抜けて、肘から崩れる。かろうじて、膝は付いたまま、顔だけ、ベッドに突っ伏して、郁は、荒い呼気を漏らす。 「あっ♥ は……っ♥ んんんっ♥」  気持ちが良くて、耐えられなかった。  そのまま、郁の身体は大きく震えて、一度、達してしまった。 「あっ……ぁぁっ――――♥」

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