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第20話

「……ふへ?」  今なんつった?執事さん。 「おや?先程、目を開けて気絶なされていた際『結婚』と仰っていらしたのですが?」 「そそそ、それはー」  何となく覚えている。  短い半生を振り返った走馬灯の中で、確か〜 「結婚に憧れたとか何かの話であって、結婚したいとかじゃなくって〜」 「主様のお望みを全力でお支えするのが、私の務めでございます」 「それはつまり、執事さんとしての〜」 「はい。執事という名の伴侶の使命です」  伴侶の割合が大きくなったー! 「王都に戻りましたら早速、式の準備を致しましょう」 「式……って〜」 「もちろん、主様と私の結婚式でございますよ」 「挙げるのー!?」 「はい、王都の皆様に祝福して頂き幸せになりましょう♥」  幸せな結婚の段取り組まれてるー! 「ヒイロ様。世界中の誰もが羨む夫婦となり、幸せの絶頂を二人で極めましょうね」 「で、でもね、俺ね。まだ冒険の旅を続けたいかな〜?……て」 「はい、お供致します」  そう来るか? 「新婚旅行が冒険の旅か」 「フフ……そうですね。主様も乗り気で嬉しゅうございます」  しまった!いらん事言ったー! 「そういう意味じゃなくってー」 「如何なる危険が待ち受けていたとしても、私さえいれば大丈夫です。いつでも蘇生できますからね」 「それはアンデット!」  蘇生じゃない。  ………  ………  ………  ハ☆ 「そういえば、さっき」  生きたまま、反魂の秘匿魔術かけられそうになったけど。 「俺、大丈夫だよね?ちゃんと生きてるよね?ゾンビじゃないよね?」 「………………」  なぜ無言になるんだ? 「フフ」  なに?なに?その意味深な微笑みはー!  何とか言ってくれ、執事さんー!

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