42 / 172

第42話

 嗚呼、遠くで声が聞こえる…… 「……ロ様……ヒ……ロ様」  誰の声?  俺を呼んでいるのか? 「魂が抜け出しております!早くしまって!」  たましい? 「その水蒸気みたいなのが魂ですよ!」  ?? 「いけない。魂の流出が止まらない」  プシュウゥ〜 「お体に触れますよ」  おでこペチン  シュプっ 「……ゼフィルさん?」 「良かった。魂が元の肉体の器に戻りました」 「俺?」 「覚えていませんか?」  そう言えば、さっきまで俺が俺を見ていたような〜 「どうやらヒイロ様は、バッキバキに血管の浮き出たフル勃起巨根を想像して興奮され、一時的に魂が昇天してしまったようです」  バッキバキ……  フルぼっ……  いんけ…… 「キィヤァァー!」 「おっと、冷静に」  ペチン  冷たい掌が額を押さえた。  危ない。魂飛び出しかけた☆ 「ヒイロ様はお盛んなお年頃ですので、性欲もお強く、興奮しても無理はないかと思いますが」 「ちょちょちょ、ちょっと待って下さい!」 「なにか?」 「せいよ……」 「せいよ?」 「く」 「く?」 「ですから、せいよ」 「祭りの掛け声は『せいやっ』ですよ」 「そうじゃなくって、せいよ〜……く」 「あぁ、性欲」  そうそれ! 「強いって勝手に決めないで下さい!」 「しかし毎日オナニーされているのでしょう」 「………………」 「耳まで赤くなりましたが『プシュー』は我慢できましたね。偉いですよ」  褒められても嬉しくない。 「そんな事より」 「はい?」 「俺はきょ……」 「きょ?」 「きょこ……」 「きょこ?」 「きょこ……こん」 「きょここん?」  ぽん  ゼフィルさんが手を打った。 「あぁ、巨根」  そうそれ! 「好きじゃないです!」 「ですが、ヒイロ様は受け様でしょう」  そこ! 「なんで、そうなってるんですか!」

ともだちにシェアしよう!