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第42話
嗚呼、遠くで声が聞こえる……
「……ロ様……ヒ……ロ様」
誰の声?
俺を呼んでいるのか?
「魂が抜け出しております!早くしまって!」
たましい?
「その水蒸気みたいなのが魂ですよ!」
??
「いけない。魂の流出が止まらない」
プシュウゥ〜
「お体に触れますよ」
おでこペチン
シュプっ
「……ゼフィルさん?」
「良かった。魂が元の肉体の器に戻りました」
「俺?」
「覚えていませんか?」
そう言えば、さっきまで俺が俺を見ていたような〜
「どうやらヒイロ様は、バッキバキに血管の浮き出たフル勃起巨根を想像して興奮され、一時的に魂が昇天してしまったようです」
バッキバキ……
フルぼっ……
いんけ……
「キィヤァァー!」
「おっと、冷静に」
ペチン
冷たい掌が額を押さえた。
危ない。魂飛び出しかけた☆
「ヒイロ様はお盛んなお年頃ですので、性欲もお強く、興奮しても無理はないかと思いますが」
「ちょちょちょ、ちょっと待って下さい!」
「なにか?」
「せいよ……」
「せいよ?」
「く」
「く?」
「ですから、せいよ」
「祭りの掛け声は『せいやっ』ですよ」
「そうじゃなくって、せいよ〜……く」
「あぁ、性欲」
そうそれ!
「強いって勝手に決めないで下さい!」
「しかし毎日オナニーされているのでしょう」
「………………」
「耳まで赤くなりましたが『プシュー』は我慢できましたね。偉いですよ」
褒められても嬉しくない。
「そんな事より」
「はい?」
「俺はきょ……」
「きょ?」
「きょこ……」
「きょこ?」
「きょこ……こん」
「きょここん?」
ぽん
ゼフィルさんが手を打った。
「あぁ、巨根」
そうそれ!
「好きじゃないです!」
「ですが、ヒイロ様は受け様でしょう」
そこ!
「なんで、そうなってるんですか!」
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