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第90話

「過分なおもてなしをありがとうございます」 「当然じゃないか。君はそれだけの働きをした。ささやかではあるが、私からお祝いさせてくれ」  ……ぽむ (ん?なに?)  今、唐突に何かを頭に被せられたような~ 「うん、私の見立て通りだ。とてもよく似合っているよ」 「あの~」  聞きたいような、聞きたくないような~  ザッ  お兄様が手を振りかざすと同時に兵の隊列が割れて、大きな鏡を持つ兵士さんがやって来た。  だからお兄様、カッコよさの無駄遣いやめて。 「ご覧」  お兄様に促されて、姿見に映った自分と対面する。 「キャアァァアー!!」 「そうだろう、そうだろう。私も君を見た瞬間、込み上げる歓喜で黄色い声を上げたくなってしまったよ」 「ここ、これは……」  俺の頭の上に、茶色いモフモフのお耳が~ 「もちろん、クマさんカチューシャだよ」 「ギャアァァアー!!」  分かってはいたが、言葉にされて悲鳴を上げた。  なぜ俺が...…  勇者たる俺が……  クマさんカチューシャ…… (キャアァアアー!!)

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