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第109話
ううう。悲しい事に、お兄様が元凶だなんて言えない。ううう〜
「そうだ、ヒイロ。これからの事について相談したいのだが」
「……はい」
愛人契約決定なんだ。否定できない俺を尻目に話が一人歩きする。
「お金玉はいつ取ろうか?」
「はい〜?」
(おき……んたま?)
いやいや、まさか!
国王たるお兄様が、そんな卑猥な言葉を言う訳ない。
「ヒイロ、聞いているかな?お金玉を取る時期だよ」
やっぱり、言ったー!!
(国王が、おき……んたまって〜)
しかも取るって、なんだ?
それとも、俺の知ってるおき……んたまとは別のおき……んたまなのだろうか?
「取ったところで勃起はできる。問題ないよ」
やっぱり、俺の知ってるおき……んたまだァァー!!
(じゃあ、取るって?)
ゾゾゾッ
背筋を寒いものが走った。
「国語辞典オープン!」
勇者の国語辞典には、俺の知らない異世界の知識も記されている。
(お願いです。国語辞典様。どうか俺の予感が当たりませんように〜!)
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