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第124話

 ガルディン  地名をとって、ガルディン公国と国名を名乗る。  だが、国交を結んでいないアルファング王国はガルディンと呼ぶ。  ガルディンは、西の最果てである。  人間の国の勢力が拮抗する土地であり、また南北に巨大なガルディン山脈の連なる高地であるため、統治するには極めて不便。  各国の情勢を踏まえて、どの国の統治下でもない空白地とする事で、均衡を保ってきた。  そんな土地に目を付けたのが、上位魔族である。  彼らはガルディンに、魔王の勢力の及ばない国を興し、ガルディン公国と名乗った。 「アルファングの立場で国と認めてはいけないのだが、ガルディンは鎖国している。情報は乏しい」  どんな魔族が支配しているのかさえ分からない。  前君主が崩御したのも、二百年以上前だという。 「全君主が死んでからだ。相国が急速に勢力を広げたのは。褒めたくないが、奴は策略家だ。頭がいい。今回の事も陽動だったのかも知れない」  ハッとした。 「シュヴァルツ!」  辺境で魔物に不穏な動きがあるって。  出立したのは今日だ。  時系列が否応にも合ってしまう。 「今、アルファングの兵力は分散している」  そんな時に現れた、相国。 「乗せられた」 「そんな事はないよ」

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