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第133話

「フィーラか」 「我らはヘイラと呼んでおりますが、その地域で間違いございません。 彼の地は土地が痩せ、食物自給率は極めて低く、本国からの供給に頼っていると聞きます。資源も乏しく、割譲して頂ければ互いの利になるかと」 「ほう?」 「フィーラをお譲り頂ければ、我らは領地が広がり、領地経営が安定します。貴国にとっては、フィーラの援助がなくなる分、資金が増え、都の経済の活性化に繋がるかと存じます」 「それで?」 「金貨でお支払い致します。金の価値は各国共通ですので」  相国が右腕を水平にかざした。 「我らの誠意にございます」  ひらり  金色(こんじき)の羽が宙を舞った。 「あっ」  思わず息を飲んだ。  頭上から落ちるシャンデリアの灯を受けた長い尾羽がきらめいた。  ひらひら、キラキラ  黄金の羽が広間の空を飛び渡り、シャンデリアを高く越えていく。  俺も、この場にいる皆がその美しさに見惚れている。  まるで光をまとっているかのような、金の鳥から目が離せない。 「これは?」  お兄様の差し出した右手の人差し指に、鳥は止まった。

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