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第135話

「ちょちょっ、ちょー」  寵姫って! 「俺、お兄様とそういう関係じゃ!まだっ!」 「まだ……な?」  チラリ  仮面の視線が俺を見やった。  もしかして、俺ッ (墓穴掘っちゃったー!?) 「それは陛下に献上致しました物でございますが、寵姫様がお気に召したのであれば、陛下から寵姫様へお贈り下さい」 「寵姫じゃありませんっ!」 「あい分かった」 「分からないでっ!」  パタパタ  激情に揺れる俺の心をなだめるように、頭の上、金色の鳥が小さく羽ばたいた。 「うぅぅ〜」 「陛下。我が国庫に金貨をご用意しております」 「ガルディンは鉱物資源に恵まれていると聞くが?」 「他国に比べれば金は安価というだけです。金の価値が低い訳ではありません。無論……」  静かながらに、語気を強めた。 「陛下に金貨でお支払いした後、金を流出させて、世界の金の価値を下落させようとなど考えておりませぬ」 「自分で言うか?」 「はい」 「では逆も?」 「輸出量を減らせば、金の価値は上がります」 「ガルディンには、それができると?」 「ガルディンの名は出しませんが、裏の流通網にて、金を世界各国に輸出しております。需要と供給のバランスを崩すのは、容易い事です」

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