24 / 34
24 想いを寄せて
ふわり、とベッドに横たえられる。随分丁寧に扱われ、気恥ずかしくなった。
「北斗…」
「今さら、やっぱ嘘とか言わないでよ」
「言わねえよ……。っていうか、まだ飯途中」
北斗が首筋にキスをしてくる。
「ダメ?」
「っ、ダメでは……」
心臓がドキドキする。何故か、妙に気恥ずかしい。頬に手を添えて、北斗が顔を近づけた。
ゆっくりと、探るようにキスされ、ビクッと肩を揺らす。
「アキラ……本当に、僕のものになったんだ……」
うっとりとしながら呟く北斗に、恥ずかしくなってくる。恥ずかしさをごまかしたくて口を開こうとしたら、開いた口の隙間から舌を挿入された。
「んっ……」
丁寧に舌を舐められ、ゾクリとする。舌が絡まる。唾液をかき混ぜながら、何度も舌先で擽られ、ビクビクと肩を揺らす。
「ん、ふ……」
キスが、いつもよりずっと、気持ち良い。感覚が鋭敏になっているようで、服が触れあっているだけで、緊張する。
北斗の舌が、上口蓋をなぞる。唇を食まれ、また深く口づけられた。
「ん、ぅ、んっ……」
くぐもった声が、鼻から漏れる。北斗の袖にしがみついて、俺も舌に噛みつく。
ぬるぬると舌を絡めあい、何度も唇をつけたり離したりする。
「はっ……、はっ、ん…」
北斗の手が、俺の服を剥ぎ取る。俺も、北斗のシャツからボタンをはずしていく。筋肉で盛り上がった胸をなぞる。北斗の肌に触れるのは、久し振りな気がした。
「……お前、興奮し過ぎ……」
前を寛げてやると、既に勃起した性器がぶるんと飛び出した。それに、嬉しいやら恥ずかしいやら、複雑な気分になる。
こんな反応されて、何でずっと、北斗の気持ちに気づかなかったのだろうか。
――どこかで、気持ちに蓋をしていたのかもしれない。
(ああ、北斗のこと、手離してやろうと思ってたのにな……)
広い世界を見たら、俺なんか見向きもしないかも知れない。そう思っていたのに。
もう、手離せそうにない。
「北斗……」
北斗の頬に手をあて、じっと見詰める。北斗の視線が、真っ直ぐ俺を射貫く。
いつだって、北斗は、よそ見せずに俺だけを見ていた。
「気づくの、遅くて……ゴメンな」
「ん」
薄く、北斗が笑う。こんなに、よく笑う男だったのだと、初めて気づく。
「好きだよ、北斗。俺も」
「――え?」
北斗は一瞬、何を言われたのか解らないような顔をして。
それから、驚いたように目を見開き。
くしゃり、顔を歪めた。
「~~~~~っ……!」
ダムが決壊したみたいに、北斗の感情が溢れたのが、見ていて解った。ボロボロと涙を溢して、声にならない声を上げる。
「っ、北斗」
思わず、こっちまでつられて泣いてしまって。
「っ、アキ、ラっ……!」
ぎゅう、と骨が折れるんじゃないかってくらい、強く抱き締められる。
「ぐえっ、ちょ、北斗っ……! 苦しっ……」
「アキラ、アキラ、アキラ、アキラっ!!」
ひたすら名前を呼ばれ、ぎゅうぎゅうと抱き締められる。
ふっと、腕をほどかれた。顔面を涙と鼻水でぐちゃぐちゃにして、北斗が俺の顔を覗き込んだ。
「アキラ」
「うん」
「好きだ」
ガツ、と歯がぶつかる勢いでキスされながら、ベッドに倒れ込む。同時に、北斗の手が、性急に肌をまさぐる。
「んっ! っ、あ♥ ちょっ」
「アキラ、好き、アキラ……」
首筋に歯を立てながら、北斗の手が俺の性器を掴む。上下に扱かれ、ビクビクと身体が揺れる。
「ちょ、待て、北斗っ……」
荒々しい北斗の様子に、肩を叩く。北斗は手を止めずに、俺を見た。
「なに」
「お、落ち着け、ちょっと」
「無理無理無理無理」
「いや、ちょ、怖いから! 一回抜こう! 抜いてやるから!」
「っ……」
抜いてやるという言葉に、北斗の動きが止まる。ホッとして、上体を起こした。
興奮状態の北斗にヤられるのは、ちょっと怖い。自分のデかさを自覚して欲しい。
「……じゃあ」
北斗の性器を、両手で包む。
(デカイ……)
既にガチガチに膨張した性器は、馬鹿みたいな大きさだ。これが普段、俺の中に入っているのが、信じられない。
上下に擦ってやると、北斗が目元を赤くして、口許を手で押さえた。
「ア、アキラ……」
北斗の反応に、そういえば自分から北斗のものに触れたのは、初めてだったと気づく。いつも、一方的にヤられることが多かった。
「……まあ、これからは、サービスしてやるから……」
恋人になったのだし。というニュアンスで言ってやると、北斗が感動したような、嬉しいような、そんな顔をするので、プレッシャーが押し寄せる。
「た、たまにだぞ!」
「たまにでも良いよ……。アキラに触って貰えて、嬉しい」
「っ」
こんなことが嬉しいのか。と思いながら、北斗のを擦る。なんだか、こっちまで興奮してきて、ドキドキと心臓が鳴る。
「北斗……、俺のも……」
「っ、ん」
北斗の手が、俺のを掴む。互いに擦り合うだけなのに、妙に刺激的だった。自分の手で、北斗が気持ちよくなっているのが、単純に嬉しい。
「アキラ、好き……、好きだよ……」
「俺、もっ……好きっ……」
荒い呼気を吐きながら、自然と顔を寄せる。舌を絡ませながら、互いに動きを早くする。舌先を擽りながら、俺たちは殆ど同時に、互いの手の中に精液を吐き出した。
ともだちにシェアしよう!