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24 想いを寄せて

 ふわり、とベッドに横たえられる。随分丁寧に扱われ、気恥ずかしくなった。 「北斗…」 「今さら、やっぱ嘘とか言わないでよ」 「言わねえよ……。っていうか、まだ飯途中」  北斗が首筋にキスをしてくる。 「ダメ?」 「っ、ダメでは……」  心臓がドキドキする。何故か、妙に気恥ずかしい。頬に手を添えて、北斗が顔を近づけた。  ゆっくりと、探るようにキスされ、ビクッと肩を揺らす。 「アキラ……本当に、僕のものになったんだ……」  うっとりとしながら呟く北斗に、恥ずかしくなってくる。恥ずかしさをごまかしたくて口を開こうとしたら、開いた口の隙間から舌を挿入された。 「んっ……」  丁寧に舌を舐められ、ゾクリとする。舌が絡まる。唾液をかき混ぜながら、何度も舌先で擽られ、ビクビクと肩を揺らす。 「ん、ふ……」  キスが、いつもよりずっと、気持ち良い。感覚が鋭敏になっているようで、服が触れあっているだけで、緊張する。  北斗の舌が、上口蓋をなぞる。唇を食まれ、また深く口づけられた。 「ん、ぅ、んっ……」  くぐもった声が、鼻から漏れる。北斗の袖にしがみついて、俺も舌に噛みつく。  ぬるぬると舌を絡めあい、何度も唇をつけたり離したりする。 「はっ……、はっ、ん…」  北斗の手が、俺の服を剥ぎ取る。俺も、北斗のシャツからボタンをはずしていく。筋肉で盛り上がった胸をなぞる。北斗の肌に触れるのは、久し振りな気がした。 「……お前、興奮し過ぎ……」  前を寛げてやると、既に勃起した性器がぶるんと飛び出した。それに、嬉しいやら恥ずかしいやら、複雑な気分になる。  こんな反応されて、何でずっと、北斗の気持ちに気づかなかったのだろうか。  ――どこかで、気持ちに蓋をしていたのかもしれない。 (ああ、北斗のこと、手離してやろうと思ってたのにな……)  広い世界を見たら、俺なんか見向きもしないかも知れない。そう思っていたのに。  もう、手離せそうにない。 「北斗……」  北斗の頬に手をあて、じっと見詰める。北斗の視線が、真っ直ぐ俺を射貫く。  いつだって、北斗は、よそ見せずに俺だけを見ていた。 「気づくの、遅くて……ゴメンな」 「ん」  薄く、北斗が笑う。こんなに、よく笑う男だったのだと、初めて気づく。 「好きだよ、北斗。俺も」 「――え?」  北斗は一瞬、何を言われたのか解らないような顔をして。  それから、驚いたように目を見開き。  くしゃり、顔を歪めた。 「~~~~~っ……!」  ダムが決壊したみたいに、北斗の感情が溢れたのが、見ていて解った。ボロボロと涙を溢して、声にならない声を上げる。 「っ、北斗」  思わず、こっちまでつられて泣いてしまって。 「っ、アキ、ラっ……!」  ぎゅう、と骨が折れるんじゃないかってくらい、強く抱き締められる。 「ぐえっ、ちょ、北斗っ……! 苦しっ……」 「アキラ、アキラ、アキラ、アキラっ!!」  ひたすら名前を呼ばれ、ぎゅうぎゅうと抱き締められる。  ふっと、腕をほどかれた。顔面を涙と鼻水でぐちゃぐちゃにして、北斗が俺の顔を覗き込んだ。 「アキラ」 「うん」 「好きだ」  ガツ、と歯がぶつかる勢いでキスされながら、ベッドに倒れ込む。同時に、北斗の手が、性急に肌をまさぐる。 「んっ! っ、あ♥ ちょっ」 「アキラ、好き、アキラ……」  首筋に歯を立てながら、北斗の手が俺の性器を掴む。上下に扱かれ、ビクビクと身体が揺れる。 「ちょ、待て、北斗っ……」  荒々しい北斗の様子に、肩を叩く。北斗は手を止めずに、俺を見た。 「なに」 「お、落ち着け、ちょっと」 「無理無理無理無理」 「いや、ちょ、怖いから! 一回抜こう! 抜いてやるから!」 「っ……」  抜いてやるという言葉に、北斗の動きが止まる。ホッとして、上体を起こした。  興奮状態の北斗にヤられるのは、ちょっと怖い。自分のデかさを自覚して欲しい。 「……じゃあ」  北斗の性器を、両手で包む。 (デカイ……)  既にガチガチに膨張した性器は、馬鹿みたいな大きさだ。これが普段、俺の中に入っているのが、信じられない。  上下に擦ってやると、北斗が目元を赤くして、口許を手で押さえた。 「ア、アキラ……」  北斗の反応に、そういえば自分から北斗のものに触れたのは、初めてだったと気づく。いつも、一方的にヤられることが多かった。 「……まあ、これからは、サービスしてやるから……」  恋人になったのだし。というニュアンスで言ってやると、北斗が感動したような、嬉しいような、そんな顔をするので、プレッシャーが押し寄せる。 「た、たまにだぞ!」 「たまにでも良いよ……。アキラに触って貰えて、嬉しい」 「っ」  こんなことが嬉しいのか。と思いながら、北斗のを擦る。なんだか、こっちまで興奮してきて、ドキドキと心臓が鳴る。 「北斗……、俺のも……」 「っ、ん」  北斗の手が、俺のを掴む。互いに擦り合うだけなのに、妙に刺激的だった。自分の手で、北斗が気持ちよくなっているのが、単純に嬉しい。 「アキラ、好き……、好きだよ……」 「俺、もっ……好きっ……」  荒い呼気を吐きながら、自然と顔を寄せる。舌を絡ませながら、互いに動きを早くする。舌先を擽りながら、俺たちは殆ど同時に、互いの手の中に精液を吐き出した。
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