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25 意味のあるもの
ちゅ、と音を立てて、唇が離れる。
(なんか、妙に気恥ずかしいな……)
北斗が蕩けるような甘い笑みを浮かべて、俺を見る。なんとなく、気恥ずかしいし、気まずいような気持ちになる。
七歳も年下の男に、こんな顔をされるなんて。
「アキラ、もっと……」
北斗がおねだりするように、額を寄せる。腰から尻にかけてサワサワと撫でられ、ゾクリと身体が震える。
「っ、あ」
「もっと、アキラが欲しい……」
「っん、解った、からっ……」
荒い呼気を吐き出し、北斗はローションを手に取る。仰向けに寝かせられ、脚を拡げさせられるのは、恥ずかしい。北斗の視線が、じっと俺の性器やらアナルに向いているのが解って、ザワザワする。
北斗はローションを窄まりに塗りつけるように、指を這わせ、クチュクチュとヒダを撫でた。くすぐったいような気持ちよさにビクッと膝が揺れた。
「んぁ♥ 北斗……っ」
指がつぷんと入り込む感触に、ひくっと穴が震える。快感を覚え込まされた身体は、指一本じゃ満足出来なくて、淫らに蠢いた。
「北斗、もっと……。焦らす、なっ……♥」
「焦らしてるつもり、ないんだけど……。アキラ、指一本じゃ、物足りない?」
「っ、足り、ない……。もっと、弄って……北斗」
ゾク、ゾクと、指が引き抜かれる度に、酷い快感が身体を突き動かす。こんなに、感じたことなかったのに。
今は、酷く、気持ちが良い。
ハァハァと息を切らせながら、快楽に酔いしれる。北斗が指を増やし、なかをグチュグチュと弄くる。円を描くように動かしたり、バラバラに指を動かしたり、腸壁を引っ掻かれ、奥を押し潰される。
「んっ、ん、ふっ……♥ んっ」
「気持ち良さそうな顔……」
「う、んっ……、気持ち、い……北斗……」
呼吸を乱しながら、北斗を見上げる。北斗の目元が赤い。いつもより、余裕がないように見える。
(店に来たばかりの時は、十八だったっけ……)
「なに?」
視線に気づいたのか、北斗が顔を上げる。
「ん、良い男になったと、思って」
「―――」
北斗が、ぐっと息を詰まらせた。
ぐりっ。内壁を抉られ、「ひぁ♥」と甘い声が出る。同時に、指を引き抜かれた。
ぴと、と先端を穴に押し付け、北斗が息を吐く。
「煽ったアキラが悪いよ……」
「ん、煽ってな」
ぐぷっ。肉棒が、穴を穿つ。
「あっ! 北斗っ……、ゆっくり……っ」
ぐぐぐ、と腰を押し進めて、北斗が入ってくる。繋がった箇所が熱い。肉輪を大きく拡げて、怒張が挿入される。
「あ、あっ、あ……っ!」
ビクビクと身体が震える。熱くて、硬くて、身体を抉じ開けられるようなのに、堪らなくて、疼くような気持ちになる。
「きっつ……」
そう言いながら、北斗は結合部分にローションを注ぎ足す。ひやりとした感触に、ブルッと身体が震える。
ローションのぬめりを借りて、北斗の肉棒が奥まで入り込む。ずるん、と挿入される感触に、ビクンと背中がしなる。
「ひ、んっ……♥ あ……っ!」
内壁を深く抉られ、快感と同時に圧迫感が込み上げる。
「っあ、北斗っ……、いきなり、深っ……♥」
「まだ結腸ぶち抜いてねぇだろ……っ」
「あっ♥ ばかっ、動くっ……♥」
ずぷん、ぐぷっ。と、北斗が抽挿を開始する。腹の奥まで満たされる感触に、ゾクゾクと背徳感が込み上げる。内部を侵される快感と、それが北斗だという、ほの暗い感情。
(ああ、本当に)
好きだと自覚してから、この行為が、意味のあるものになってしまった。ただの作業だったはずなのに、全然違う。
身体も、心も、全部が北斗に満たされていく。
「北斗っ……、北、斗……、好き……」
自然と唇から零れ出た言葉に、北斗が唇を噛み締める。
「っ……、アキ、ラ……」
「あっ、あ、あ……、北斗っ……ん」
堪らない、といった表情で、北斗が腰を打ち付けながら、俺を抱き締めた。
「なんだよ……、あんた、可愛く見える……」
「っあ♥ ん、っ……。イヤ、かよっ……」
「嫌なわけ、ない……っ」
何度も内部を擦られ、絶頂が近い。北斗の腰に脚を絡め、背中に腕を回す。
「っ……」
ぐぽっ♥ 北斗がさらに、奥に入り込んで来た。
「っ~~~~~~!!」
ビクン♥ 身体が跳ねる。
「あ♥ あ、あ♥ ダメな、トコっ……、入ってるっ……ん♥」
「アキラっ……、アキラ……、好きだ、好きだ……っ」
ぐぽっ、ぬぽっと、卑猥な音を立てて、結腸を何度も貫かれた。深く穿たれ、頭のなかまで犯されているようだ。
「あ、あっ、あああぁ♥ ほく、とっ♥」
叫びすぎて涎まみれの唇を北斗が塞ぐ。
互いの手を絡め合い、ぎゅうっと握り締めた。
やがて、腰の動きが速くなる。北斗は俺の中に、一滴残らず注ぎ込むようにして、ナカへと射精した。
それを受け止め、俺は恍惚とした表情で、自身も腹の上に精を放ったのだった。
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