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※第6話
心の中で叫ぶが、それを口にすることは叶わなかった。
気を良くしたミカエルが、そこを重点的に擦り上げてくる。その度に、強すぎる刺激が全身を駆け巡り、何も考えられなくなる。前と後ろ同時に擦られて、僕はだらしなくよだれを垂らしながら喘いだ。
イきそうになるが、その度に前を握る手を離され、僕は苦しさに首を横に振った。しかし後ろからの刺激は止まらず、ビクビクと体を震わせるしかなかった。体は二つに折り畳むように膝を抱えて、ミカエルの手淫を受けている。先走りが割れた腹筋の溝に溜まって、横腹へと流れていった。
「あっ、ひっ……、ふぁッ、あッ、そこばっかり……、もう、無理……ッ」
後ろに咥え込んだ指は、気づけば三本に増えている。
ジュクジュクと音を立てて抽送を繰り返す自分の後孔が、まるで性器のようで目をそらしたくなる。真っ直ぐ伸びていた三本の指が曲げられると狙いすましたように、一際強く前立腺を押し上げられた。その瞬間、僕の頭は真っ白になった。
「んんッ……、あああああっ」
自分でも驚くほどの声が出て、同時に射精した。温かな感触が胸を濡らす。我慢していたせいか、ビクビクと腰が跳ねるたびに白い液体が僕の体を汚していく。
深い快感に溺れていると、ミカエルは感心したように呟いた。
「後ろでイけるなんて、君、才能あるんじゃない?」
「そんな才能……いらんわ」
息絶え絶えにようやく僕は返事をした。布の擦れる音がして、天使が腰巻きを解いているのが分かった。
童貞の僕でも分かる。これは挿れられるやつや。
(いや、見た目は中学生ぐらいやし、きっとアソコの大きさもーー……わぁ〜立派なチンコ!)
僕は身を起こして後悔した。
見た目は美少女のような天使の中心には、その顔に似合わない立派な男性器がそそり立っていた。
それを見た途端、今の起きていることが妙にリアルに感じてしまい、僕は震えた。
「う……、嫌や、怖い……」
情けないことに僕は泣き出してしまった。それを見たミカエルは小さく息をついて、僕を組み敷いたまま動かなかった。やがて僕の頰に流れた涙を拭った後、ベッドから身を起こした。そして何もない天井に向かって問いかけた。
「ねえ、こんなモンで許してあげたら?」
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