24 / 71
第24話
お昼になり休憩スペースでお弁当を食べようとしたら、
「隣に座ってもいい?」
新に声を掛けられた。いいよ、と返事をしたら、
「ありがとう湊」
新が座る前に川瀬次長が隣の椅子に座った。
「川瀬次長そこは俺の席ですよ」
「フフフ早い者勝ちよ」
「大人げないですよ」
「別に大人げなくてもいいもん。新はいいじゃん、私がいなかった間ずっと湊の隣をキ―プして独り占めにしてきたんだから。譲ってくれる優しさはないのかしら」
「それとこれは別です」
「別じゃないわよ」
二ヶ月振りに再会したと思ったら、さっそく口喧嘩がはじまった。
「二人とも仲良くしてください。みんな見てますよ」
自分たちに向けられる冷ややかな視線にようやく気付いた二人。
「湊のお弁当美味しそう。私のと交換しない?」
川瀬次長のお昼は駅前のカフェで購入したサンドイッチ。飲み物は休憩スペースにカップのカフェと、ソフトドリンクの自動販売機が二台設置されてある。
「交換するなら俺のにしてください」
「せっかく作ってくれた愛妻弁当と交換するほど私鬼じゃないわよ」
「どの口で言ってんだか」
ぶつぶつと呟く新。
「聞こえてるわよ」
川瀬次長がフフンと笑った。
「新、ありがとう。川瀬次長どうぞ食べてください」
お弁当を渡すと、
「ありがとう湊。大好き」
がばっと抱き付かれた。
「何してんだか」
新がはぁ~っとおもいっきり大きなため息をついていた。
ロード中
ロード中
ともだちにシェアしよう!