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第24話

お昼になり休憩スペースでお弁当を食べようとしたら、 「隣に座ってもいい?」 新に声を掛けられた。いいよ、と返事をしたら、 「ありがとう湊」 新が座る前に川瀬次長が隣の椅子に座った。 「川瀬次長そこは俺の席ですよ」 「フフフ早い者勝ちよ」 「大人げないですよ」 「別に大人げなくてもいいもん。新はいいじゃん、私がいなかった間ずっと湊の隣をキ―プして独り占めにしてきたんだから。譲ってくれる優しさはないのかしら」 「それとこれは別です」 「別じゃないわよ」 二ヶ月振りに再会したと思ったら、さっそく口喧嘩がはじまった。 「二人とも仲良くしてください。みんな見てますよ」 自分たちに向けられる冷ややかな視線にようやく気付いた二人。 「湊のお弁当美味しそう。私のと交換しない?」 川瀬次長のお昼は駅前のカフェで購入したサンドイッチ。飲み物は休憩スペースにカップのカフェと、ソフトドリンクの自動販売機が二台設置されてある。 「交換するなら俺のにしてください」 「せっかく作ってくれた愛妻弁当と交換するほど私鬼じゃないわよ」 「どの口で言ってんだか」 ぶつぶつと呟く新。 「聞こえてるわよ」 川瀬次長がフフンと笑った。 「新、ありがとう。川瀬次長どうぞ食べてください」 お弁当を渡すと、 「ありがとう湊。大好き」 がばっと抱き付かれた。 「何してんだか」 新がはぁ~っとおもいっきり大きなため息をついていた。
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