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第26話
まわりから白い目で見られていることに気付くと顔を真っ赤にして慌てて戻っていった。
「これで終わればいいけどね」
川瀬さんが不安を口にした。
「湊は何も悪いことはしていません」
「それはわかるんだけどね。まわりがどう見るかでしょう?高卒で毎年採用される訳じゃないし、言いたい人には言わせておけばいいんだけどね」
川瀬さんがまわりをチラッと見た。
「湊が父の愛人ではなく、俺の恋人なら誰も文句を言わないでしょう。えこひいきだと後ろ指を指されるようなこともないでしょう」
「ちょっと新」
真面目な顔で何を急に言い出すかと思ったら。顔から火が出るくらい恥ずかしかった。
「あら、やだ。堂々と交際宣言。なかなかやるわね。陽斗が黙っていないんじゃない?」
「陽斗より俺のほうが湊を幸せに出来る」
「自信満々ね」
「当たり前だ」
ムスッとしてだし巻き玉子を口のなかに入れる新。
「何の気なしに食べたけど、良かった普通で……」
ほっとして胸を撫で下ろす新。
「もしかして塩を多めに入れられたことがあるの?」
「塩ならまだ可愛いほうだ。ほんの少しだけどわさびが入っていたことがあるし、トマトが苦手なのにトマトが入っていたこともある」
「子どもみたいな嫌がらせね。陽斗らしい」
川瀬さんがクスクスと笑い出した。
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