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第61話

「陽斗、新、だめ」 二人の手を払おうと手を伸ばしたけど、空いているもう片方の手にあえなく阻止された。 「何が駄目なの?言ってみ」 「気持ちいい癖に。我慢しなくてもいいのに」 なんでこういう時に限って二人は意地悪なんだろう。憎たらしいくらい息もぴったりだし。 二人は体を起こすと、首筋に唇を這わせてきた。 「湊の怒った顔も可愛いけど、今はイクところが見たいんだよね」 砂糖菓子みたいに甘い声で同じ台詞を同時に耳元で囁く二人。ぞくぞくと身体が震えた。 性器をしごかれ、先端の窪みを指で刺激され、腰が、身体の奥が震える。 そして一際強く刺激されたその瞬間、 「っあ……っ!」 二人の手のなかに温かなものを放っていた。 恥ずかしさと申し訳なさに顔が一気に熱くなった。でも二人は平然としたまま、動じなかった。 「俺の湊は声も可愛いし、イクときの顔も可愛い」 陽斗がドキドキするくらいうっとりとした表情を見せた。 「俺たちの、だろ?」 「はい、はい」 「はいは一回でいい」 「分かりました。新お兄ちゃん」 「その呼び方は止めろって言わなかったか?」 「背中が痒くなるからだろ?湊も可愛いけど、新お兄ちゃんも可愛いね。照れ隠してさ」 「は?誰が照れ隠しをしてるって」 毎度お馴染みの口喧嘩がはじまった。この二人は仲がいいんだか、悪いんだか、たまに分からなくなる。
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