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第95話

「お互い裸は見慣れているだろ?今更恥ずかしがってどうするんだ?黒子がどこにあるか、痣がどこにあるか、湊の体のことなら全部把握している。靴が合わないんじゃないか?靴擦れを起こしている。風邪が治ったら新しい靴を買いにいこう。あと……」 「まだあるの?」 「うん、ある。踵がガサガサしていたからクリームを塗っておいた。新が一番楽しんでいたかも。じっくり観察していたから。新に焼きもちを妬いて寝ている湊を襲うとした。かなりヤバかった。我慢が出来てえらいだろ?」 「う、うん。えらいよ」 なんか違うような……そんな気はしたけど。首だけ縦に振った。 そのときピンポーンとインターフォンが鳴った。 「さすがは絢斗さん、時間ぴったしだ。仕事に行ってくるね。なるべく早く帰って来るから大人しく寝ているんだよ」 端正な陽斗の顔が近付いてきて。そのまま頤を掬われたかと思うと、 「そんなに可愛い顔をしているとキスがしたくなるだろ?仕事に行かせない気か?」 艶めかしく囁かれ口付けられた。 「お邪魔します」 仕事道具が詰まったキャスターつきのバックを持って絢斗さんが姿を現した。ス―ツ姿を見るなんてなんていつぐらいぶりだろう。

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