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第100話
「杏南さん借金があるみたいだよ。サラ金だけでなく闇金にも手を出している。借りた金はちゃんと返さないと怖いお兄さんたちが迎えに来るようになる」
真顔でさらりと言われ目を丸くした。
「杏南さんはどうなるんですか?」
「俺たちは知らなくていいことだから。陽斗さんも帰って来たようだよ」
「え?陽斗?」
驚いて思わず声が裏返ってしまった。
「裏でいろいろと手を回していたみたいだよ。これで分かったんじゃないかな、陽斗さんを敵に回すとえらい目にあうって」
「じゃあ絢斗さんが電話を掛けた相手っていうのは……」
「依頼人だよ。杏南さんにどうしても会いたいって言われてね」
にっこりと微笑む絢斗さん。
インターフォンが鳴らなくなり、陽斗が本当に帰ってきたからビックリした。
「仕事は?」
「湊が心配で様子を見に来ただけだ。なんで起きてんだ?寝てないと駄目だろう?」
「お昼ご飯を食べていたんだ。そしたら……」
「そうか。これで懲りてしばらくは大人しくしているはすだから、もう心配はいらないよ」
陽斗が隣に座ると微笑みながら頭を優しく撫でてくれた。
「子どもじゃないよ」
「俺にとったら可愛い子どもだよ」
「からかわないでよ」
手を払おうとしたら、ケラケラと愉しそうに笑い出した。
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