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第104話

「新はモテモテだね。父親として鼻が高いよ」 「湊以外興味がないつまらない男だよ、俺は」 「そうかな?」 「そうだよ。陽斗は?まだ帰って来ないの?」 「警察署に寄ってから帰るから新が帰ってくるまで湊の側にいてほしい、凱さんには電話したからって連絡があった」 「杏南さん、家族全員にそっぽを向かれたんだ」 「路上で騒いでいる酔っ払いがいるって通報があって警察に保護されたんだけど、誰も引き取りに来なくて」 「だから陽斗が呼ばれたんだ」 「先妻の子であるお前に居場所はない湊と一緒にさっさと出ていけって家を追い出されて一方的に縁を切られたとはいえ、一応長男だから、あそこの家の」 ガタンと玄関のほうから物音が聞こえてきた。 「陽斗帰ってきたみたいだね、俺もそろそろ帰るね」 僕たちの前にフルーツゼリーを置くと玄関へと向かう絢斗さん。 「あれ、なんで」 驚いたような声が聞こえてきて。陽斗と一緒に凱さんが姿を現したから驚いた。どうやら凱さんも杏南さんの関係者として警察に呼ばれたみたいだった。 「身内なんだから助けるのが当たり前。今さら身内ズラされてもね。困るよね」 凱さんがやれやれとため息をついた。

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