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第112話

「遠くから見ても近くから見ても僕の彼氏はカッコいいってだろ?」 全部新に見透かされていて、違うって否定できないのが悔しい。 「やっぱり図星か。俺は湊とラブラブなところを陽斗に見せつけられるからラッキーかな」 恋人繋ぎした手を高く上げてにっこりと微笑む新。 駐車場にいる僕たちに気付き「あとで覚えておけよ」と言わんばかりにガラス越しに睨み付けてくる陽斗。 「スマイルだよ、陽斗。そんなに怖い顔をしたらお客様が離れていくよ」 ケラケラと愉しそうに笑う新。 「陽斗を構うのってすごく楽しい」 「新、調子に乗らないほうがいいよ。あとで痛い目にあうから」 「その時は湊がよしよしして、癒してくれるんだろ?なら痛い目にあうのも悪くないかも」 「あのね新……相変わらずポジティブなんだがら。その自信はどこから来るの?」 「どこからだろうな。お腹空いただろ?」 「うん。でもまだ大丈夫。待てるから」 仕事が終わったら三人でご飯を食べよう。紹介したい人がいるんだと陽斗に言われた。新に聞いたら何も聞いていないみたいで誰だろという顔をしていた。 「イチャイチャ禁止。抜け駆け禁止。甘えるのはまぁ、少しくらいだったら許す。分かっているって返信したのに、十分も経過していないのに同じ内容のメールを寄越すんだよ。俺ってやっぱり信用ないのかな」 はぁ~と深いため息をつく新。

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