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第115話
「湊さまは陽斗お坊ちゃまと新さまの清涼剤ですからね。大旦那さまの見立ては間違っていませんでした。すごくお似合いですよ。結婚式の招待状が届くのが今から楽しみです。大旦那様も結婚式の時は帰国すると仰っていました」
にこにこと満面の笑みを浮かべる菅沼さん。
「菅沼、湊は恥ずかしがり屋なんだ。あまりじろじろ見るな」
「すみません、つい」
照れ笑いする菅沼さん。
「菅沼さん、さっきの話しですが」
新が静かに口を開いた。
「湊さまのお父様を死に追いやったのはもとはといえば旦那様なんですよ。大旦那様から話してよいと許可はいただきました。湊さまのお父様は市民を守るのは警察官の役目だからと、仕事だとはいえ誰もやりたがらなかった旦那様の護衛の引き受けたんです。ただ親一人、子一人でもし万が一自分に何かあれば湊さまが一人になってしまう、元奥様にだけはどうしても渡したくないと大旦那様に相談をされたんです。大旦那は私も凱も偏見はない。陽斗お坊ちゃまか新さまが湊を嫁にもらえばいい。初対面にも関わらず三人で仲良く遊んでいるんだ。なかなかお似合いだとは思わないかと。湊さまのお父様も偏見がないかたで、嫁にもらっていただけるなら安心して職務にあたれます、そう仰っていました。大旦那様は先見の明がありますからね」
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