125 / 130
第125話
「疲れているから無理強いはしないけど」
「湊が決めて」
「えっと……」
力が入らないのは疲れたせいだけではない。後ろが痺れたように綻んでいて、どこもかしこも感じすぎて、敷布が肌を擦るのも過敏に受け止めてしまうからだ。裸の陽斗と新を交互にちらっと見た。
「そんな目をして、キスしてって言ってるようなものだぞ」
「我慢出来なくなるだろ?」
そんな目ってどんな目で二人を見ていたんだろう。困ったかのようにクスクスと笑ったのち、
「そろそろキス、してもいい?」
「うん」あらたまって言われるとなんだか恥ずかしい。こくんと頷いて目を閉じると、柔らかな唇が重なってきたのち、少しひんやりと冷たい唇が重なってきた。
敷布の上に縫い止められると、膝を割り、大きく足を開かせられた。双丘とその奥に長い指が触れて、びくっと体を震わせると、
「力を抜け。俺もはじめてだからなるべく優しくするから。それともやっぱりやめておく?」
「だい、大丈夫……」
「無理はさせたくない」
「本当に大丈夫だから」
頭を振ると、
「じゃあ分かった。挿れるよ」
コクりと頷くと新が優しくキスをしてくれた。
「愛してる湊」
「新、あ――っ」
自らの昂りを肉襞を押し広げるようにして、ぐっと僕の中に挿し入れると、逃げかけた腰を抱き締められて、そのままじりじりと腰を進めてきた。
「陽斗が丁寧に解してくれたから、見た目よりずっとスムーズだよ」
「ん……う……っ」
「湊、辛い?苦しい?」
「大丈夫……ちょっ、ちょっと苦しいけど……」
新だって僕と同じように苦しいはすだから。
隣に寝そべり僕の緊張を解すように口づけを繰り返す陽斗。甘苦しい圧入感に顔を歪める僕とは対照的にすごく愉しそうだ。
ともだちにシェアしよう!

