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第125話

「疲れているから無理強いはしないけど」 「湊が決めて」 「えっと……」 力が入らないのは疲れたせいだけではない。後ろが痺れたように綻んでいて、どこもかしこも感じすぎて、敷布が肌を擦るのも過敏に受け止めてしまうからだ。裸の陽斗と新を交互にちらっと見た。 「そんな目をして、キスしてって言ってるようなものだぞ」 「我慢出来なくなるだろ?」 そんな目ってどんな目で二人を見ていたんだろう。困ったかのようにクスクスと笑ったのち、 「そろそろキス、してもいい?」 「うん」あらたまって言われるとなんだか恥ずかしい。こくんと頷いて目を閉じると、柔らかな唇が重なってきたのち、少しひんやりと冷たい唇が重なってきた。 敷布の上に縫い止められると、膝を割り、大きく足を開かせられた。双丘とその奥に長い指が触れて、びくっと体を震わせると、 「力を抜け。俺もはじめてだからなるべく優しくするから。それともやっぱりやめておく?」 「だい、大丈夫……」 「無理はさせたくない」 「本当に大丈夫だから」 頭を振ると、 「じゃあ分かった。挿れるよ」 コクりと頷くと新が優しくキスをしてくれた。 「愛してる湊」 「新、あ――っ」 自らの昂りを肉襞を押し広げるようにして、ぐっと僕の中に挿し入れると、逃げかけた腰を抱き締められて、そのままじりじりと腰を進めてきた。 「陽斗が丁寧に解してくれたから、見た目よりずっとスムーズだよ」 「ん……う……っ」 「湊、辛い?苦しい?」 「大丈夫……ちょっ、ちょっと苦しいけど……」 新だって僕と同じように苦しいはすだから。 隣に寝そべり僕の緊張を解すように口づけを繰り返す陽斗。甘苦しい圧入感に顔を歪める僕とは対照的にすごく愉しそうだ。

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