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第126話

「新ので慣れておいたほうがのちのち楽だよ」 じっくりと腰を進め、少し揺すり上げながら最奥まで雄をのみ込ませる新。 愛しさが胸を、全身を満たす。 こんな風に誰かを愛し、幸せで満たされたと思ったのははじめてだった。 「動くぞ」 耳元で囁かれ頷くと、新は僕の足を抱え直し、ゆっくりと腰を使い始めた。 最初はゆっくりと、次第に自分のピッチで抜き挿しを繰り返すと、そのたびに、僕の体が不規則に跳ねる。 陽斗の手に握られている性器もますます硬さを増して、脈打つように戦慄いている。 繋がっている部分がひくひくと蠢く。 はじめて経験する背筋を突き抜ける快感になす術もなく翻弄される。 「新っ、やだ……っ」 より一層深く穿かれ、縋るように新に抱きついた。どこまでが自分の体か分からなくなるほどどろどろに溶け崩れていくようだった。 「湊、好きだ――」 「僕も、好き。ああっ……あ……」 涙も、甲高い悲鳴も、唾液も新に荒々しく奪われる。キスを繰り返し、二人一緒にビクビクと腰を痙攣させながら果てた。 熱のこもった荒い息。言葉を紡ぐのも難しいのに。気心の知れた幼馴染みだから、お互いの考えていることなんかすぐに伝わる。 痛かった?手加減できなくてごめんな。陽斗が待っているから。 頷きあうとずるりと新の雄が引き抜かれた。 「俺がお兄ちゃん思いの優しい弟で良かったな」 「まさか譲ってくれるとはこれっぽっちも思わなかったから嬉しかった」 「え?は、陽斗」 背中の下に手を差し入れられ、そっと抱き起こされるとあれよあれよという間にあぐらをかいた陽斗の膝の上に乗せられていた。

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