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第二章 第二十二話 胸部開発※R18
※R18表現あり
胸部開発
「ねえ朝陽、そろそろ胸も触っていい?」
睦み事の最中、一郎の手が朝陽の胸部に触れる。
「胸……?」
「そう。開発すると男でも気持ちよくなれるんだって。朝陽が新しく気持ちよくなれるところ作りたくて」
そう言いながら、一郎の指が胸の尖りをくにりと押す。女性ではないのだから、当然触れられても何も感じない。
──男の胸なんて触って、何が楽しいんだ?
「ん……別に、何も気持ちよくないぞ……?」
「うん。最初は感じるの無理かもしれないけど、ちょっと頑張ってみたくって。いい?」
「お前がしたいなら、まあ……」
「ふふ、じゃあ頑張って胸で朝陽のこと気持ちよくするね?」
一郎がちゅう、と先端を吸い上げる。朝陽はほんの少しのくすぐったさを感じて、身をよじらせた。
「くすぐった……」
「いっぱい触れば気持ちよくなれるって聞いたから……セックスの度に触るね? ここ、いいんだって覚えよう。まずはこっちと一緒に触っていくところからね」
一郎は右の胸を指先で遊びながら性器に手を伸ばす。直接快感を感じるそこに触れられて、朝陽は喘ぎ声を漏らした。
「ひゃうっ! ぁ、いちろうっ、あ、んぁっ、ンぅ……!」
艶やかな声が寝室に響く。朝陽はシーツを懸命に握り締めて一郎に愛され続けた。
それからしばらく、閨事の度に一郎は朝陽の胸を開発した。指で円を描くように周囲をなぞり、先端をつまみ、舌で押し潰したり吸い上げたりを繰り返した。
「ん、ぅっ……ふぁっ……」
「朝陽、気持ちいい?」
「なんか、じんじんする……」
「そっか、じゃあもっとするね」
「んぁっ……ひぁっ、ぁ、あッ、んぅっ」
朝陽の身体は次第に胸で快楽を得るようになった。平坦だった先端はぷっくりと腫れてしまい、開発をされてしまったことが一目でわかる。変わり始めてしまった自分の胸を見ながら、朝陽は快楽の海に溺れていった。
そしてまた、数週間。
朝陽は、シーツの海にゆっくりと沈む。目の前には優しくて甘い金の髪の男。
「なあ一郎……その、胸、まだ触るのか?」
「うん? 嫌になった? 気持ちよくなかった?」
「っ、そ、の……そうじゃ、なくて……」
朝陽は羞恥を感じながら、ゆっくりと服を脱ぐ。その姿を見て、一郎が目を見開いた。
「……あさひ、それ……」
「最近、擦れるようになって……だからこうするしかなかったんだ」
「……ちょっと、えっちすぎじゃない?」
朝陽の胸には、絆創膏が貼られていた。もはや一郎に触れられている時以外──服が擦れた時も甘い痺れが走るようになり、対策として絆創膏を貼ったのだ。
「仕方ないだろ……」
「ちょっと開発しすぎちゃったかな、ごめんね」
そう言いながら、一郎は絆創膏越しに朝陽の胸をきゅっと摘まんだ。
「あッ!? ぁ、んっ……!」
男に快楽を教えられたそこはひどく鋭敏になっており、絆創膏越しでも充分に快楽を得てしまう。
「気持ちいい?」
「ぁぅんっ、だめっ、きもち、いいっ……!」
「うん。じゃあ胸でいっぱい気持ちよくなろうか。これ、剥がすね」
一郎がゆっくりと絆創膏を剥がしていく。皮膚が引っ張られる感覚でも気持ちよさを覚えてしまって、朝陽はひくひくと身体を震わせる。
「ん、んぁっ!」
絆創膏越しでもこんなに気持ちいいのに、直接触れられたらどうなってしまうのだろうか。これからおとずれるであろう甘美に、身体が震える。
ゆっくりと、白い指が右の胸の頂に近づいて。
赤く主張しているそれを、優しく指で押した。
「ひぁ、あっ、あああっ!」
瞬間、胸の頂から脳に向かって甘い稲妻が走る。打ち震えていると、左の胸も絆創膏を剝がされて同じように愛撫された。
「ぁあッ、ァんっ! っひぅっ、あぅんぅっ、ぁっあう!」
脳髄が他者に支配される感覚。一郎は先端を二本の指で摘まんでからすり潰すようにくにくにと押してくる。たったそれだけのことなのに、性器を愛撫されているのではないかと思うほどに気持ちがいい。
彼によって身体を作り替えられてしまったのだと自覚しても、もう遅い。朝陽の胸は快楽を得るための器官となって、目の前の男に淫靡を晒す。
「たくさん触ったからすごい感度上がったね。朝陽かわいい……」
「ぁ、あッっひ、は、ぁッう、ぁあッ……!」
ただ皮膚を触られているだけなのに、こんなにも気持ちがいい。男としての矜持が崩れ去っていく音が聞こえたが、一郎がとても嬉しそうに朝陽を愛するのでそんなものはどうでもよくなってしまった。
ふと、一郎が顔を胸に近づける。そして左胸を愛撫する手は止めぬまま、右の胸にちゅうと吸いついた。
「ふぁんっ! ぁ、吸っちゃ、だめっ……! んァっぁ、あッ、あ!」
「ダメじゃないよ。いっぱい気持ちよくなろう? 大丈夫だから」
周囲を舐めて、頂を舌でつんつんと突いたかと思えば全体を使ってゆっくりと舐め上げる。指とは違う熱いそれが与える悦に、朝陽は一郎にしがみつくことしかできない。
「ぁぅあっ、ァんっ! あッ、んァっうあっ あ、あ!」
ぷっくりと腫れたそれは、明らかに快楽を覚えさせられたことを示している。その敏感な箇所を、一郎の舌はもっと快楽を感じるように責め立てていく。
ちゅうちゅうと赤子が乳を求めるように吸われただけで、溜まっている熱がはじけ飛んでしまいそうになる。腰がかくかくと揺れて、早くどこかへ至ってしまいたいと願っている。
はむりと先端を甘噛みされた瞬間、朝陽の身体はびくんっ! と魚のように跳ねた。
「ぁ、っ! いちろ、も、オレ、ぁ、っあん、ひぅっ、だめになるっ……!」
「ん? 大丈夫だよ朝陽、好きなだけ気持ちよくなって?」
男はそう言って愛撫の手を止めない。優しく、どこまでも優しく朝陽を快楽に突き落とす。
左の胸を弾くように愛撫されながらいっそう強く頂を吸い上げられて、その瞬間はおとずれた。
「あっ!? ぁ、あ、あ────────!」
頭が白に染まる。びくびくと身体を震わせて、触れられてもいない下着の中の性器がみっともなく射精した。
「はっ、ぁ、あ……ぁぅ……」
「朝陽、もしかしてイった?」
一郎がズボンの前をくつろげる。グレーの下着は一部が濃い色になっていて、ずり下ろされると内側にべっとりと白い体液が張り付いていた。精を出して満足した性器にも、白が張り付いている。
「ごめんね、先に脱がしておけばよかったね」
「んっ……、オ、レ、胸だけでっ……」
絶頂の波が引いてきて、羞恥が襲ってくる。女性の身体に触れたことがないから知らないが、それだってこんなに快楽を得るようにはできていないだろう。見下ろした自分の胸部は先端が真っ赤に色づいていて、ひどくいやらしく映った。
「うん、気持ちよくなれていい子だね、朝陽。イったの気持ちよかったでしょ?」
なのに、目の前の男は朝陽が悦楽に浸ることを肯定する。衣服に手をかけた流れで朝陽の残りの着衣を全て払って、生まれたままの姿にした。
「朝陽の好きなところ、全部触るから。朝陽は好きなだけイっていいんだよ」
彼は両手を潤滑剤で潤して、達したばかりの性器の鈴口を親指で引っ掻く。もう片方の手は後孔につぷりと挿入され、肉の壁を行き来していった。それだけでも脳が壊れてしまいそうなのに、男は左の胸の頂を口に含んで、舌で転がし始める。
「ひぅっ!? あ、ぁッぅ、うぁあっ、あ、っ! ぜんぶしたら、すぐイっちゃ……! ひっんぅっんァっ、ぁうぅっ!」
「うん、たくさんイこうね、朝陽……」
一郎の愛撫の手は止まない。己を壊してしまうほどの甘い波にさらわれて、朝陽は官能に身悶えすることしかできなかった。
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