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第88話 嬉しいプレゼント※

 「はぁ、玲のここ、少し柔らかい気がする。…自分で弄った?」  そう後ろから囁く声を掛けられて、僕は思わず唇を噛んだ。ああ、ほんと恥ずかしい。キヨくんにバレちゃうのなら、自分で触らなければよかった!でもそんな僕にキヨくんが耳元で言った。 「玲が俺とするために自分で頑張って解してるの想像すると、凄い燃えるんだけど。何、その健気な感じ。はぁ、玲が可愛すぎて無理。」  妙に喜んでる気配がして、僕はそっとキヨくんに振り返った。落ちてくる唇に甘やかされながら、ジェルの音が浴室に妙に響く気がして、僕はドキドキが止まらない。 「音、外に聞こえちゃう…。んっ。」  するとキヨくんは僕の中からそっと指を引き抜いてシャワーを浴びせた。強い流水が少し苦しい気がしたけれど、直ぐにそれも止まった。キヨくんはにっこり笑って、僕に先に身体を拭くように言うと、自分の身体を流し始めた。僕は鏡の前で赤らんだ自分の顔と身体を見つめて、これから行われる事を想像した。  前回は初めてで訳もわからないうちに圧迫感に支配されて、ただ一つになれた事に舞い上がってしまったけれど、今からはもう少し慣れることが出来るんだろうか。でもあの時だって初めてとは思えないくらい気持ち良かった。  僕は自分自身がすっかり臨戦態勢なのに苦笑して、キヨくんが浴室から出て来たので慌てて股間を隠した。でも堂々とした美しい逞しい身体を曝け出したキヨくんのそこは、腹にくっついていて、それが僕を欲しがっている証の様な気がして思わず恥ずかしさも飛んでいった。 「ここでキスしたら上に行けない気がするから、大人しく部屋に行こう。飲み物は何か持っていく?俺玄関の鍵だけ確認するから。」  僕は収納から新しいお茶の大きなペットボトルを抱えると、グラスを2個持って階段下で待っていたキヨくんの後を着いて階段を登った。さりげなくペットボトルを持ってくれたキヨくんに、僕が女の子扱いされてる気がして少し面白かった。  腰に巻いたタオル越しにキヨくんの鍛えられたお尻の筋肉が動くのも、何だかドキドキして、僕はこれからもっとエッチなことをすると言うのに、緊張と興奮で喉の奥が詰まる気がした。  部屋の扉を閉めるや否や、キヨくんは僕の手からグラスを取ると机に置いて、僕をぎゅっと抱き締めた。僕もさっきまでの緊張は直ぐに収まって、ただキヨくんと身体を触れ合って、味わって、ひとつになる事しか考えられなくなった。 「キヨくん、メリークリスマス。」  キヨくんは凄く嬉しそうに、僕をじっと見つめて言った。 「玲、メリークリスマス。今までで一番嬉しいプレゼントだよ。」

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