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第90話 約束したのは僕だけど※
もう無理だと荒い息で呟きながら、キヨくんは僕の身体を揺さぶって、ガクガクと腰を揺らした。僕は気持ちが良い場所を何度も擦られて、怖い様な気持ち良さに逃げ出したいのに、キヨくんに捕まえられて押し込まれて弾けてしまった。
それと同時に、キヨくんも大きく呻いて何度か腰を突き出し果てたみたいだった。ドサリと覆い被さって来たキヨくんと繋がったまま、僕はキヨくんの身体の重さを感じていた。ぐったりと僕を包む、汗ばんだ身体と匂いと体温は、僕を幸せにした。
「…ごめん。何かもっとゆっくりしようって思ったんだけど。」
そう耳元で囁いた後、僕からずるりと抜け出して横へと転がったキヨくんはゴムの処理をしたんだろう。僕はぼんやりとキヨくんの後ろ姿を見つめながら手を伸ばした。
「キヨくんの身体、綺麗。」
僕がそう言うと、キヨくんは振り返って僕の側に転がって来た。
「気に入ったなら良かった。俺は玲のこの白くて、なめらかで、柔らかな身体も好きだよ。」
自分でも自覚のあるメリハリの無い身体を見下ろして、キヨくんの指先が僕のお腹を撫でるのを見つめて苦笑した。
「僕は好きじゃない。大学入ったら筋肉つけようかな…。ジムとか?それとも運動系サークルとか?」
僕がそうブツブツ言っていると、キヨくんは急に僕に乗りかかって僕をじっと見て言った。
「ジムはダメ。インストラクターに目をつけられそうだから。サークルも心配だな。玲はこのままで良いけど。俺は好きだよ?それだけじゃダメ?」
僕はキヨくんの独占欲にふふと笑って、両手でキヨくんの顔を引き寄せ、唇を軽く噛んで引っ張った。
「ダメじゃないけど、キヨくんモテるから、僕も隣で相応しい相手になりたいと思っただけだよ?」
すると顔を赤くしたキヨくんが、僕の唇を凝視して掠れた声でいった。
「玲の考えは嬉しいけど、あー、不味い。」
そう言いながら僕に自分の股間を押し付けた。さっき出したばかりのそれは、何だかすっかりお育ちになっていて、僕は恐る恐る、体に触れあうそこを見下ろした。
「やばいな。玲が可愛い事言うから、直ぐに欲しくなっちゃう。…ダメ?身体に負担なのは分かってるんだけど。」
そう言って情欲を滲ませた眼鏡を掛けていないキヨくんは、いつもとは全然違う人みたいで、僕は喉をごくりと動かして答えた。
「…いいよ。受験前にしないって言ったのは僕だけど、僕もやっぱりキヨくんが欲しくて堪らないから。」
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