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立派だね 1

新人治療士ノエル・リンデジャックの嫌がらせをしていた主犯の治療士と、討伐第2部隊の魔術士数名が除隊になったというニュースは、統合討伐部隊の中で、瞬く間に広がった。 しかも、主犯の治療士は、テロまがいの行為により、新人治療士を巻き込んで自害を企てており、それをノエルと、同じく新人治療士エミン・グスタフと、コニー・ユーストマが未然に防いだということも同時に皆に知れ渡っていた。 「ちょっと…ノエル!また髪に寝癖ついてる」 事件から1週間が経ち、新人治療士3人組は食堂で朝食をとっていた。 ノエルの寝癖を指摘した、コニー・ユーストマは、紫色のおかっぱボブスタイルの髪型をしており、ノエルよりも背が少し低く、女の子のような容姿をしている。 お洒落が大好きで、今日も新しくネイルを替えてきていた。そんなコニーからすれば、寝癖をつけたまま人前に出るなど、見過ごせない行為だった。 「うっ、コニーするどいな…。いつも癖がある髪だから、寝癖も目立たないかなって思ったのに…」 「ふふっ…俺がなおそうか?小さい頃、妹達の髪をよく整えたりしてたから、上手いよ」 そういってエミン・グスタフは、穏やかに微笑んで、ノエルの髪を優しく手ですいた。 エミンは、パステルブルーの長い髪を右に軽く流しており、ノエルやコニーよりも10センチ程背が高い。歳も10歳上ということもあり、落ち着いた雰囲気を纏っていた。 「ありがとうエミン」 ノエルは、寝癖を直してくれたエミンにお礼を言う。 先輩治療士のテロ行為を防いだ日から、3人の新人治療士の間にある空気が変わった。今ではお互いを名前で呼び合い、いつでも助け合える仲になっていた。 「職種によって差別することを、ロイスタイン隊長は許さないみたい。この統合部隊では、徹底して対策するって意思を表明するために、自分の部隊の治療士を除隊にしたみたいだよ」 エミンは小さな声で、2人に囁くように話した。ノエル達は、食堂の中の人があまり居ないスペースに席を取っていたが、あの事件に関することは、できるだけ他の人には聞いてもらいたくはなかった。 「ふーん…リッツェン殿下、さすがだね」 コニーは、スクランブルエッグを口に運びながらそう応える。

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