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要員発表 2
急いで食堂に戻ったノエルは、入口前の人だかりを目にした。
どうやらその先にリストが貼り出されているらしい。
人だかりのせいで、リストそのものがどこにあるのかさえわからない。どうにか確認しようと、ノエルが人だかりに近付いた時、後ろから声をかけられる。
「あっ、ノエルー!やっと戻ってきた!」
「ノエル、貼り出されてるリスト見た?」
同じ新人治療士のコニーとエミンだった。
2人とも少し興奮しているのか、テンションが高い。
「コニー!エミン!いや、まだリストを見ていなくて…」
ノエルが再び、リストを見ようと人だかりに目を向けようとした時、コニーとエミンの2人はノエルに抱きつき、同時に歓喜の声をかけた。
「僕たち、特別機動部隊に任命されてた!」
「俺たち3人共だよ!」
「えっ!!本当に!?」
驚くノエルに、コニーとエミンは弾けるような笑顔を向け、力強く頷く。
「役目はどうやら違うみたいなんだけどね。今回は部隊関係なく役割が振られるみたい。詳しいことは個別で説明されるらしいよ」
エミンは、ノエルに説明する。コニーもエミンの説明に続くかたちで話す。
「それと、壮行会っていうのが部隊進行前にあるらしくて、新人とか若手がそこで出し物をするっていう決まりがあるみたい…さっき、側に居たベテラン治療士の人から聞いた。討伐部隊前線の伝統になってるみたいだよ」
「壮行会…出し物?」
ノエルは思わず首を傾げる。
3人はまだ話したい気持ちはあったが、そろそろ今日の研修が始まる時間だった。
またあとで詳しく誰かに聞いてみようと言う話になり、3人は研修が行われる部屋に向かった。
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