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Cp4.紗月(男ver)×清人『初恋の人②』
近くのホテルに入った後は雪崩れるようにベッドに転がった。
唇を貪りながら、量が清人の股間を撫で上げる。
強い力じゃないのに、それがかえって気持ちが良くて体がよじれた。
「清人って、バイ? 女の子は抱いたこと、ある?」
服を剥ぎ取りながら量に問われて、頷いた。
「何人もって訳じゃ、ない、けど。男は、量さんが、初めて、ぁ!」
下着をずらされて顕わになった男根をゆっくりと扱かれる。
「初めてなのに、俺のキスでこんなになっちゃうんだ。男でも十分、イケそうだね」
「それは、量さん、だからっ、ぁっんっ」
量の目が艶を増して清人を眺めた。
「俺の何を知ってるの? 本当かもわからない名前と、顔だけだろ?」
「それで、充分。感じる熱とか、あったけぇし。唇、気持ちいいし。なんでか、懐かしい」
自分から量の唇を吸い上げた。
陰茎を扱く量の手が止まった。
「量さん?」
量の手が清人の後ろに回る。
尻の穴をぐいと押されて、思わず体が跳ねた。
「女しか抱いたことないなら、後ろは処女だろ? 俺、バリタチなんだけど、いい?」
清人は、おずおずと頷いた。
「何となく、そんな気がしてた、から。ちゃんと処理してあるよ」
そっと量の陰茎を摩る。服の上からでも完勃ちしているのが分かった。
「これ、俺で勃ってんだろ。量さんにとっても、俺はアリってことだろ」
量が驚いた目で清人を眺めている。
その目が嬉しそうに笑んだ。笑んだ目には欲情がありありと浮かんでいる。
「アリだから、来たんだよ。抱きたいって思ってた」
キスした唇が深く重なって、舌が口内を犯す。
舐めとられた舌を何度も吸い上げられて、それだけで頭が痺れる。
いつの間にか脱がされて顕わになった陰茎を扱きながら、量の指が後ろに伸びた。
ローションをたっぷり付けた指が後ろを慣らしながら広げていく。
「んっ、ぁ、ぁん……」
乳首を舌で弄ばれると、すぐに勃った。
舌先で潰されて、強く吸われて、尖りが増していく。
突然、腹に響くような快感が襲って、清人はびくりと体を震わせた。
「清人の善いとこ、見付けた。ここ、気持ちい?」
「気持ち、いいって、いうかっ、ぁっ、やっ、こんなの、善すぎてっ」
今までに感じたことがない気持ちの善さが腹から脳に抜ける。
「前立腺押されると、ずっと気持ち善くなれるよ。清人の先から、ずっと流れてる」
量の指が陰茎の先を押す。先から流れるカウパーを馴染ませて、扱かれる。
後ろと前の刺激がどっちも強くて、背中が仰け反る。
「やっ、それ、ダメ、強いっ、ぁ、ぁぁっ! 出ちゃ、うぅっ」
必死に量に掴まる。
「後ろ、ごりごり強く擦られるのが好きなんだね。我慢しなくていいよ。何回でも出せるから」
量の指が二本に増えて、清人の善い所をゴリゴリ容赦なく擦り上げる。
「出る、出るっ、ダメぇっ、ぁ、ぁん……ぁ、量、キス、して……ぁ、ん」
顔を上げて、量を求める。
清人を見下ろしていた目が愉悦に歪んだ。
「可愛いね、清人。キスしたらイけるように調教してあげようか」
言葉を吹き込むように量の唇が清人の口を塞ぐ。
まるで呪詛でも流し込まれているように気持ちがいい。
指の刺激と舌の熱で、清人の陰茎の先から精液が飛び散った。
「ぁ、はぁ……、きもちぃ……はぁ……」
量が清人の頭を下げて、自分の股間を突き出した。
「俺のも舐めて。上手に出来たら、コレ、中に入れてあげるから」
清人は素直に頷いて、量の男根を咥え込んだ。
既に熱を持った男根は太くて長くて、口に収まりきらない。
裏筋とカリに舌を這わせると、強く吸い上げる。
チュクチュクと卑猥な音を立てて、徐々に奥まで咥え込んでいく。
「上手だね、清人。本当に初めて? 他の男にしてたら、ちょっと妬けるな」
「初めてだよ。俺の初めてが量で、嬉しい?」
量が清人の頭を撫でる。
そのまま口に男根を突っ込まれた。
「嬉しいよ。清人の初めては、全部欲しい。他の女を抱く前に、抱きたかったな」
「女は、関係なっ、んぐっ、ん、ぁ……、男は、量だけっ……んっ」
唾液がどんどん流れてカウパーと混ざり量の男根が汚れていく。
それがとても嬉しい。
一際強く吸い上げると、量が腰を引いた。
「後ろの初めても、貰うよ」
清人を仰向けに寝かせると、腰の下に枕を入れる。
「本当はバックの方が楽なんだけど、清人の顔見てシたい」
唇が雨のように顔中に降ってくる。
後ろの口に太い男根が押し付けられた。
(熱い……、こんなデカいの、入んのか?)
中にも男根にもローションがたっぷり塗られている。
清人の後ろの口は、すんなりと量の男根を受け入れた。
「っぅ、ぁぁ! ぁ、や、なんで、こんな、きもちぃ……ぁぁっ」
するりと入った男根が浅い所を擦りながら、中を押し広げて奥に入っていく。
「清人の中、キツイ。本当に初めてなんだね。その割に感じてる?」
清人の頬に手を添えて、量が口付ける。
唇も指の仕草も、中に押し入ってくる量の硬い男根も、全部が優しくて気持ちいい。
「めっちゃ、気持ちぃ……、こんなん、もう、女、抱けない。ぁ、ぁぁ!」
捩る体を抑え込まれる。
量の男根が更に奥を擦る。
動く度に善い所にあたって、清人の陰茎の先から精液がトロトロと漏れ流れる。
「清人は完全にネコって感じだね。俺じゃないとイけない体になってよ。俺を忘れないで。俺を好きな清人でいて」
量の言葉はまるで懇願で、その顔が紗月に重なった。
絶え間なく与えられ続ける知らなかった快感で、頭がぼんやりしてきた。
「全然、忘れらんねぇ。会えなくなって、余計に好きって気が付いて。もっと早くに、伝えれば良かった」
腕を伸ばして量の首に絡みつく。
それは量に言っているようで紗月に向けた告白だった。
「んっ、ん、ぁっ! いなくなるって、知ってたら、こうなる前に、抱いたのに。好きだ、紗月。もっと、俺ン中、入ってきて」
朦朧とする頭が、自分でも意識しない言葉を紡ぐ。
量の肩がビクリと震えて、動きが止まった。
「量……? どうか、した?」
ぼんやりした清人を量が驚いた顔で見詰める。そのまま、清人に口付けた。
「……俺も、清人が好きだよ」
強く舌を吸われて、同じくらい強く腰を打ち付けられる。
「んっ! んんっ!」
喘ぎ声さえも喰われて、逃げる腰を押さえつけられる。
ピストンが早くなって、量の体が震えた。
腹の奥が熱くて、量が射精したのだと気が付いた。
清人の腹の上も、自分の精液で汚れていた。
「ぁ、はぁ……、はぁ……、ぁ、ん」
男根を抜いて、量が清人の隣に横になった。
体を引き寄せて、清人を抱きしめる。
「風呂で流したら、もう一回、シない?」
するりと頬を撫でられて、清人は頷いた。
「初めて、どうだった?」
「ん、思ったより全然良かった。またシたい。けど、何回も抱かれたら好きになりそうなんだけど」
上目遣いに見詰める。
量が優しく微笑んだ。
「連絡先、交換しよう。仕事の関係で月一程度しか会えないけど、それでも良ければ」
量が清人の顔を胸に抱いた。
「もう会えないのは、俺の方が辛い。俺はとっくに清人が好きだよ。きっと、初めて会った瞬間から、恋してた」
清人の胸が甘く締まる。
この時の告白は相沢量の言葉で、雨宿りしていた昨日の話だと思っていた。
相沢量が霧咲紗月の男の姿だと清人が知るのは、この約三年後。
量である紗月が言った「初めて会った瞬間」が、六年前に特殊係13課で顔を合わせた瞬間だと清人が知るのは、これから約十年後。紗月が13課に正式所属を決めた後になる。
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