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Cp.6保輔×瑞悠(男vre)『初めての××②』

 保輔の手を護がそっと包む。  手に何かを掴まされた。 「この辺りは理研云々というより鬼アルアルですから。人の体は存外伸びるから、心配いりませんよ」  そっと覗くと、コンドームの箱だった。Lサイズと書いてある。  見上げると、護が良い顔でニコニコしていた。  頑張れ、と言わんばかりに護がぐっと拳を握る。  思わずコンドームをポケットに押し込んだ。 「うん、わかった。ありがと、まもるさん」  言葉がカタカタしたまま、保輔はキャリーケースを持って瑞悠と共に二階に降りた。 (鬼って皆、デカいんか。しかも一般常識なん? 陽人さんがくれたゴムもLサイズやったぞ)  訓練後に一度、白金台の陽人のマンションに戻った日があった。  保輔の部屋の机の上に、陽人からプレゼントが置いてあった。  コンドームだった。  薄くて丈夫なLサイズだった。強化術を施してある、絶対に破れない仕様だ。 (父親の気遣いとして、どうなん? 正しいん? 親って初めてやから、ようけ、わからん)  しかも、瑞悠が男の姿である以上、使うかどうかもわからない。  男であっても使った方が良いのだろうが。 (やって、瑞悠、男やったら俺を抱く気満々やったもん。俺、どうなんのやろか)  ぼんやりと考えながら、奥の部屋にキャリーケースを運び込む。  二階の部屋は家具家電が備え付けなので、私物さえ持ってくればすぐに生活できる。片付ける荷物は少ない。 「や、す、す、け」  耳元で囁いた瑞悠が吐息を流し込んだ。  その場に崩れ落ちて、瑞悠を振り返った。 「なんやぁ。普通に話しかけろやぁ」  言葉が弱々しくなりながら抗議する。 「何回も話し掛けてるのに、返事しないんだもん。片付けは服くらいだし、それ以外は適当にやるから、のんびりしようって言ってるのに、聞いてないでしょ?」  コンドームにすっかり意識を持っていかれて、聞いていなかった。  ベッドに座り込んだ瑞悠が、じっと保輔を眺めた。 「前から聞いてみたかったんだけどさ、保輔って、それなりに遊び慣れてるんだよね?」  瑞悠の疑問はbugsの隠れ家で保輔が美鈴に放った言葉を真に受けている感じなのだろう。  あの言葉は、瑞悠を守るための方便だった。事実ではない。 「別に、女とっかえひっかえで遊んどったワケちゃうぞ。発情した時に適当にヤっとった程度や」    特定の恋人を作るなんて考えもしなかったし、欲しくもなかった。  フェロモンで酔わせて一回限りで終わり、そんな関係しか知らない。 「だったらさ、女の人には慣れてるんだよね?」 「慣れて……。どうやろな。セックスだけなら、慣れとるんちゃう?」  女の扱いについては、よく知らない。  保輔にとっては発情の処理ができれば、それで良かった。 「そっか。なんかさ、私には保輔がピュアで不器用に見えるから、意外だなと思って。あ、私ってやめた方がいっか。俺? 僕? どっちが良いと思う?」  瑞悠の言葉が、ちょっとだけ引っ掛かった。  イラついた訳ではない。引っ掛かっただけだ。  瑞悠の隣に腰かける。  顎に手を添えて、強引に引き寄せると、唇を重ねた。  割り入った舌を舐めて啜る。腰に手を回すと、瑞悠の体が保輔に倒れた。  耳の輪郭をなぞって、ふわりと撫でる。クニクニと触れながら、指で首筋をなぞった。 「瑞悠は、僕って感じや。智颯君とお揃いやし、可愛くてええんちゃう?」  下唇を吸って水音と共に離す。  見降ろした目に熱が浮いていた。 「やっぱり、慣れてる。こんな気持ちいいキス、誰でもは出来ないでしょ?」  瑞悠の唇が保輔の首を這う。  こそばゆくて、擽ったい。 「なぁ、知っとる? キスって、好きやないと気持ち善くないんよ。俺は、こないに気持ちええキス、瑞悠が初めてや」  頬に手を添えて、瑞悠の唇を貪る。 「ぁ、ん……」  口の隙間から零れた声が可愛くて、瑞悠の口内を舌で満たした。  声も漏らせない程に犯して、唾液を混ぜる。  抱き寄せた体が熱い。  股間に手を伸ばすと、瑞悠の男根が勃起しているのが分かった。 「どっち、したい? 抱きたい? 抱かれたい?」    服の上から男根を擦り上げる。  瑞悠の腰がビクリと跳ねた。  くねる体も、蕩けていく顔も可愛くて、止まらなくなる。  ズボンも下着もずらして、顕わになった男根に口付けた。 「ぁ、ヤス、待っ……て」 「もう、待たれへん。これ以上は、無理や」  服と下着を脱がせて、足を開かせる。  瑞悠の男根に舌を這わせた。 「ぁぁ……」  瑞悠の腰が、びくびくと跳ねる。  根元を緩く扱きながら、先を咥え込んだ。 「フェラされる気持ち良さ、教えたる。欲しかったら、後ろもしたるから」  咥え込んで先を吸い上げ、カウパーが流れる口に舌先をぐりぐりと押し込む。  瑞悠の足が小刻みに震える。声を出さないように抑える手を掴んだ。 「気持ち悦くなって、ええよ。声、たくさん聞かせて」  掴んだ瑞悠の手が、保輔の手を握って頷いた。  先を何度か吸ってから奥まで飲みこむように咥え込む。  引きながら舌で裏筋を舐め上げると、瑞悠の腰が跳ねた。 「ぁぁんっ、ぁ、はぁ……」  男の低い声でも、あまりにも瑞悠のその声が、保輔の男根を刺激する。  蕩けた顔で顎を上げて快楽に耐える表情が、堪らなく艶っぽい。  後ろの口に指をあてると、瑞悠の体がビクリと震えた。  少しずつ広げてやると、ローションもないのに後ろの口が濡れた。  抵抗もなくするりと入った指で内側を刺激する。 「ぁ! ビリって、する、やすすけぇ……」  泣きそうな声に顔を上げると、潤んだ瞳が助けを請うように見下ろしていた。  保輔の嗜虐心が疼いた。 「前立腺、刺激されると、気持ちええのやで。瑞悠にも、あるんかな」  男の姿になっているとはいえ、体の造りまで男になっているは限らない。  けれど、中の一点を刺激すると瑞悠の体がビクビク震えて、顔が快楽に染まる。 「わかんない、けど。気持ち良くて、怖い。ぁぁ! 強く、しない、でぇ」  普段なら絶対に聞けない瑞悠の声と、絶対に見られない顔だ。  保輔は自分の服をずらして男根を顕わにした。 「俺を抱きたかったかもしれんけど、今日は俺に抱かれて。我慢できん」  瑞悠の目の前に自分の男根を突き出す。  緩く口を開いた瑞悠が、保輔の男根を咥え込んだ。 「えっ、おま、急にっ」 「おっきくて、全部、入んなぃ……ぁん、んっ」  たどたどしい舌が保輔の陰茎を舐め回す。  くすぐったくて、腰が逃げる。 「どんなふうにしたら、気持ちいいの? 教えて」  咥えたまま話されると、声が響いて余計に擽ったい。  保輔は瑞悠の頭に手を添えた。 「根元、手で持って。舌、這わせたら、カリ、舌先で、舐めて。先吸うて。……ぁっ、きもちぇぇ……」  保輔が教えた通りに瑞悠が舌を使う。  覚えが早いのか器用なのか、保輔の反応を観ながら瑞悠が上手に陰茎の先を吸い上げた。 (前にもこんなん、あった。あれは、智颯君にフェラして、やり方、教えた時か)  智颯と似た顔で、似たように咥えているのに、気持ちの善さが、まるで違う。  初めて見る瑞悠の蕩けた顔が、濡れた唇が、保輔の男根を咥えている。  そんな瑞悠の姿に見惚れた。 (好いた女が、俺の咥えとる。絶対に手に入らん思ぅとった宝物が、俺を気持ち善くしてくれとる。信じられん)  男だろうが女だろうが、姿なんかどうでもいいんだと、改めて思った。  自分が好きなのは瑞悠なのだ。  瑞悠の目が保輔に向いた。 「気持ちいい? どうして欲しいか、教えて。もっとヤスを気持ち悦くしたい」  そう言って笑んだ目には欲が浮いて潤んでいる。  くちゅくちゅと唾液を絡めて先を舐め、ちゅくちゅく吸い始めた。  その淫靡な顔だけで、保輔の限界が弾けた。  男根の先から白濁が溢れ出す。  慌てて瑞悠の口から引き抜こうとしたら、瑞悠の方から咥え込んで精液を口で全部受け止めた。 「すまん、口に出してもうた。吐き出せ」  ティッシュを探すが、見つからない。  そうこうしているうちに、口の中の精液を瑞悠が飲み込んだ。 「……え? 飲んだ?」  呆然とする保輔に、瑞悠が頷く。 「うん、飲んだ。あんまり美味しくないね」  眉間にしわを寄せる瑞悠を引き寄せて、思わず口付けた。  口の中全部を舐めとるように舌を這わせる。  精液独特の生臭い匂いが鼻に付く。 「飲むなや。トイレでも洗面所でも吐き出したらええのに」 「飲みたかったの。みぃの中に入ったら、全部浄化されるから、心配ないよ」  何がどう心配ないのか、よくわからない。  しかし、目の前の彼女はどこか満足そうな顔をしている。 「ヤス、まだ、イケる?」  瑞悠が顔を寄せて保輔の顎を食んだ。  それだけで、保輔の男根が硬さを増す。  熱い男根に触れて、瑞悠が嬉しそうに笑んだ。 「みぃ、ヤスに抱かれたい。もっとヤスと繋がりたい。いい?」  抱かれたい、という言葉に、保輔の理性が飛んだ。  瑞悠の体を押し倒して、後ろの口に触れる。  どういう訳か、女の秘部のように濡れる口に、指を押し込む。 「痛く、ないか?」 「ん……、ヤスの指、優しくて、気持ちいい……ぁっ」  快感に歪んだ顔が、瑞悠の善い所を教えてくれる。  内側を擦るほどに、愛液が流れ落ちる。  指を二本に増やして擦ると、瑞悠の腰が浮いた。 「ぁ、んっ、お腹の、奥、へんっ、ぁぁっ……」  保輔の腕を掴んで、瑞悠がぎゅっと目を瞑る。  指を引き抜いて、自分の男根を押し当てた。  何度か押し付けるうちに、男根が瑞悠の中に呑み込まれていく。 「ぁ……、瑞悠、ヤバ……、絡みついて、キツっ」  既にトロトロに濡れた中が畝って保輔の男根に絡みついてくる。  動いたらすぐに達してしまいそうだ。 「ぁ、はぁ……、やっと、繋がれた。やっと、みぃの、ヤスになってくれた。……ん、ぁんっ」  瑞悠が腕を伸ばして保輔の首に抱き付いた。  声が吐息と共に流れ込んで、保輔は無意識に腰を大きく押し付けた。 「ぁ! ぁぁっ、ぁん、ぁぁっ!」  瑞悠の口が喘ぎだけを発する。  自分の男根で瑞悠が気持ち善くなっているのだと思うと、余計に腰が動いた。  何度も中を擦り、奥を突く。  瑞悠の体が何度もビクビク震えて、甘イキしているのだとわかる。  中が強く畝って、保輔の男根に絡みつく。 「も、イクっ」  保輔の腰が震える。  瑞悠が耳元で囁いた。 「中に、出して、ね……んっ、ぁ……、ヤスが、欲しい、よ……ぁっ」  引き抜くはずだった男根を、奥に押し込んでしまった。  最奥を突いた瞬間、保輔の男根の先から白濁が瑞悠の腹の中に吐き出された。 「ぁ……、はぁ、はぁ」  息を切らせて、保輔は瑞悠の上に覆い被さった。 「はぁ……。気持ち、良かったぁ。セックスって、こんなに気持ちいいんだね。ヤスが気持ちよさそうなのが、一番嬉しい」  恍惚な吐息を漏らして、瑞悠が保輔の顔を抱き締める。 「……みぃ」  呟くように名前を呼ぶ。  瑞悠の愛称を、初めて呼んだ。 「中に出してもうたぞ。男やから、ええかもわからんけど。みぃの中、女みたいやったぞ」  濡れそぼった秘部も畝って絡みつく腸も、まるで膣のようだった。 「だからさ、大丈夫だよ。みぃの中に入れば浄化されちゃうから」  フェラした時と同じ言葉を瑞悠が繰り返した。 「多分だけど、中出ししても妊娠しないよ。その辺は秋ちゃんが巧くやってくれると思うんだ」  言葉の意味が解らずに、顔を上げる。  瑞悠が悩んだような顔をした。 「んーとね。直桜様も化野さんに中出しされてお腹壊したり、しないんだって。惟神は毒も薬も呪詛も効果ないから、とりあえず大丈夫って、直桜様が教えてくれてね」  保輔は、ぽかんと口を開けて呆けた。 「もし保輔が生で中出しして後悔してそうだったら、教えてあげるといいよって言われた。でも、なるべくならゴム使いなさいって言われたけどね」  呆然として言葉が出なかった。  瑞悠が保輔の顔を自分の胸に押し当てた。 「それより、ヤスと繋がれて嬉しい。みぃの初めてがヤスで嬉しい」  改めて嬉しそうにされると、照れてくる。 「俺かて、好いた女とシたんは、初めてや。……男やけど」  瑞悠の体に腕を回して抱き返す。  愛しているだけで、こんなにも余裕がなくなるのだと、初めて知った。  上体を起こし、保輔は改めて瑞悠を真っ直ぐに見詰めた。 「何で俺、こないにみぃが好きなのやろ。誰にも奪われたない。俺が守りたい。みぃの一番は、俺であってほしい。愛さんでもええから、俺を求めてほしい」  瑞悠の頬を、するりと撫でる。  その顔が見る間に熱を増して真っ赤になった。  瞳が更に潤んで、照れとも驚きとも取れない表情をしている。  初めて見る瑞悠の表情に、保輔の方が狼狽えた。 「今、初めて、守られたいって、思っちゃった」    瑞悠の顔が嬉しさの笑みに染まる。 「ヤスはみぃに初めてを沢山くれるね。みぃはヤスと一緒に生きたいよ。そんな風に思う人、ヤスだけだよ。だから、一人でどこかに行ったりしたら許さないから」  顔を引き寄せて口付けられる。  やっぱり敵わないなと思った。 「俺は一生、みぃを愛しとぅから、心配ないよ。リバーシする前からずっと、みぃを好いとった」  驚いて言葉を発しようとする瑞悠の唇に吸い付く。  ずっと隠してきた本音の告白に、今すぐに言葉をもらうのは恥ずかしかった。

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