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第79話 俺も、貴方も、気持ちいい
酔っ払いな桜介さんの口の中は熱くて、柔らかくて、頬を窄め内側で扱くように吸い付かれると、たまらなく気持ちがよかった。
そんなのされて目眩がしたんだ。
最初の頃の辿々しい舌先は可愛くて、好きだったけど、今はもうその時以上にこっちこそ夢中でさ。
「ちょ、桜介さんっ、そんなの不味いからちゃんと、ペって」
「……ン、ん」
口をキュッと閉じてさ。
「不味いでしょ、そんなのしなくていいのに」
「ん、僕がしたかった、の」
そう小さく呟いてから、ティッシュを取ってきた俺の手を両手で宝物みたいに掴むと、自分の方へと引き寄せる。
「あの」
赤いセクシーなランジェリーに触ってって、その手で自分の脇腹近くにあしらわれた真っ赤な薔薇へ俺の手を押し付けて。
「今日、は、僕の誕生日、だから、その」
「うん」
そこに触れるってことは、桜介さんのやらしいのにも触れるってことでさ。誘い方が辿々しくて、拙いのに。でも、欲しがりなところが、もう、なんか……。
「ね、桜介さん」
「は、はいっ」
ちょっと足踏みしてるけど、きっと欲しいの、これでしょ? 桜介さんの今一番欲しい、誕生日プレゼント。
それならいいなぁって思った
「桜介さんが誕生日に欲しいのさ」
今日の桜介さんは酔っ払ってるせいか、いつもよりも大胆だ。
「いつでもいくらでもあげるんだけど」
「!」
いつもよりもやらしい。
「桜介さんのだよ。俺の全部」
「! ……ぁ、う、ん」
きっと欲しいのは、俺、でしょ?
そんなふうに欲しがりで、やらしい桜介さんが可愛いって思った。
「翠伊くんの全部……」
「うん」
世界一、可愛い声だと思った。
世界一。
「ぅ、ん、嬉しい、です。翠伊くんのこと、すごく」
可愛い内緒話。
(欲しい、です)
そう告げる小さな囁き声が愛しくてたまらないって、思った。
「あっ……ぁっ」
「まずは指ね」
「う、ん」
鼻にかかった甘い声で鳴いてくれる。膝立ちになった桜介さんが俺の上に跨って、俺の足の幅分だけ足を開いたまま、下から挿入された指に喘いで、気持ちよさそうにしがみついてくれる。中も気持ち良さそうに俺の指を飲み込んでく。
「指、気持ちい?」
「う、んっ、気持ち、い」
「中めちゃくちゃ熱い」
「ふゃっ……ぅっ、ン……ん」
キスが好きな桜介さんに下から齧り付くみたいにキスをした。舌を入れて、指と一緒に、この人の内側の熱を味わうみたいにぐるりと掻き回してく。
「ン、ぁっ」
甘い声と一緒に、甘い蜂蜜をかき混ぜるみたいに音を立ててあげると、指を咥えた内側がキュッて締め付けてくれる。
ね、きっと、この中に挿れたら、すごく、きっと――。
「あ、ん、ンンっ」
俺も、桜介さんも、気持ちいいよ。
「僕、が」
その一言に、ぐらりと熱で目眩がする時みたいに感じた。
「あ……っ、ぁ、指がっ」
抜いて、次に、その蕩けた孔を俺のにあてがう。
「あっ、翠伊くん」
「今日は、ゴム、しないんでしょ?」
「! うんっ」
ねぇ、本当は良くないんだからね? いつもちゃんとしてるのに、これだけは無邪気にそんな嬉しそうにしたりして。あぁ、もぉ。
「このまま、欲しい……です」
そんなこと言わないでよ。
「あぁっ、翠伊くんの熱くて、すごいっ」
素直に喜ばないでよ。
「翠伊くんっ、あっ」
慌てなくてもいいってば。
「ひゃぁっうっ」
俺も、早く、貴方の中に入りたかったんだから、焦らなくても、慌てなくても、ちゃんと。
「あ、あ、すごい」
自分から挿れてくれた。
「翠伊くんの、おっきい……」
クチュって、甘い音を立てて、触れて、開いて、中にゆっくり挿れていく。カリのところが中を撫でて、桜介さんの好きなところに触れると、肩にしがみついてた指がぎゅって力を入れた。気持ち良さそうな顔、してる。
「自分で好きなとこに好きなだけしていいよ」
「あっ」
「桜介さんの好きにして」
「あ、あっ」
素直に腰を揺らしてくれた。クチュリ、クチュリって、甘い音を立てながら中にある気持ちいいトコを自分から俺のに擦り付けてる。小刻みで、ゆっくりで、辿々しい腰つきなのにさ。
「っ」
「あ、翠伊くんの、硬くて、おっきいっ、あ、あ」
拙いのに。
「ひゃあっ……あ、ンっ……ン、あぅっ」
「すご」
「あ、翠伊くんっ、翠伊くんっ」
たまらない。
「桜介さんの中、気持ちいい……っ」
「あ、ほんと? 嬉しっ、あっ」
本当だよ。めちゃくちゃ気持ちいい。さっき貴方に口でしてもらってイッたばっかなのにね。
「桜介さん」
「あ、ダメ、名前呼ばれるとイっちゃうっ」
もうイきそう。
「桜介さん」
「あ、ああっ、あ、ン、ぁン」
しがみつきながら夢中になって腰を振ってくれる。真っ赤なランジェリーの、真っ赤なバラの刺繍にやらしい染みを作りながら、甘い濡れた音を立てて。
「あ、あっ」
リンゴの甘いワインに酔っ払ったせいでとろとろに熱くて、溶けちゃいそうに柔らかい内側を何度も締め付けながら。
「ひゃああっ、あンっ」
目の前にある小さな乳首にキスをしてあげると、中がぎゅってしがみついた。
「ンっ、ダメ、今、そこっ、僕っ」
ちゃんと言葉になってない。
「触っちゃ、ダメ、イっちゃう」
「うん」
「あ、あ、あっ、やぁっ……ンっ、あ、ダメ、突き上げちゃっ」
「ん」
乳首にキスしながら、奥めがけて下から強く突き上げた。乳首を優しく噛むと中がキュンってする。舌で濡らすように乳首を舐めてあげると、腰が跳ねて、強く擦れる。キスマだらけになった乳首はすごく美味しそう。真っ赤になるくせに、ズブズブに深くまで俺のを咥えて、狭い内側で絞り取るみたいにうねらせるやらしい身体。
「あ、翠伊くんっ」
小さなお尻を両手で鷲掴みにしながら、すごいやらしい音を立てて。
「翠伊くんっ、翠伊くんっ、中に」
「っ」
「翠伊くんの、中に欲し、イっ」
そんなの言ったらダメでしょ。
「あ、あ、あっ、激しいっ、の、イッちゃうっ」
「っ」
逃がさないようにお尻を掴んでる指に力を入れた。桜介さんの好きなところから、蕩けた奥までを何度も何度も突き上げて。敏感な乳首にもう一回キスマークをつけてから。
「イクよ……」
「あ、うんっ、うんっ、出し、てっ、ぁ、あ、ひゃあ」
「っ」
最後、最高に気持ちいい射精に頭の中が真っ白になった。
「っ」
「あ、すごい、まだ、ドクドクしてる」
「っ」
「ひゃぁ……あ、あ、中、が翠伊くんでいっぱい、なの……嬉し、ぃ」
ねぇ、本当に、やばいくらいに気持ちいいんだってば。
「あ、ン、奥、熱い」
本当はダメなのに。ゴムなしなんて。それに、毎回、毎日とか、毎回、何度もとか、ダメでしょ? 桜介さんの身体には負担になるのに。
「翠伊くん……ン」
貴方が初めてだよ。
こんなに意思弱くないんだけど。もう少し理性あるはずなんだけど。明日の用事とか、そういうのちゃんと考えて、動けるほうなんだけど。
「あぁ、もぉ、止められなくなるでしょ」
「あ、や……溢れちゃうっ、や、ぁ……もっと」
中に出した白をやらしい孔から溢しながら、もったいなさそうにその溢れた白を指で押さえて、脚を大胆に開いた姿に目眩がしてる。いつもよりもやらしくて、欲しがりなこの人に、襲いかかりたくてウズウズしてる。
「翠伊くん」
その甘い声に引き寄せられるように、まだ熱いままの身体同士を繋げた。
「あぁ……ン」
俺も、桜介さんも。
「気持ち、ぃ」
まだもっと欲しいって、身体同士をくっつけた。
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