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おまけのおまけ ぎゅー。

 こんなこと言ったら、変かな。 「ン……ん……く……っ」  引かれちゃうかな。 「ん、ンっ……あふっ……ぅ、ン」  僕ね、翠伊くんのを口で気持ちよくしてあげるの、好きなんだ。  口いっぱいに翠伊くんのこと頬張って、頬の内側でぎゅってしてあげたくなる。丁寧にたくさん舐めて、翠伊くんがぎゅってしかめっ面になってくれると、胸が高鳴るんだ。やった、って思って、もっと、もっとって。 「ン、んっ……ン」  先っぽ、好き、なんだよね。さっき、翠伊くんが僕をおかずにしてくれた時、先っぽ、たくさん擦ってた。僕も好き。 「っ、桜介さん、それ、やばい」  ホント? ここ? 「っ」  ここを、唇を窄めて、キュッて締め付けながら、こうして早くするのは? 「っ、ちょっ」  あ、すごい。もっと硬く……なってくれた。 「んんんっ」 「っ、やばいっ、桜介、さんって」  いっぱいしてあげたい。たくさん気持ち良くなって欲しい。もっと、ドキドキして欲しい。 「あっ……ン、あふっ」  それに、不思議なんだ。 「桜介さん」 「ンンっ」  翠伊くんのことを口で気持ち良くしてあげてるはずなのに。 「ン、ん」  僕も気持ち良くて。 「やば、桜介さん、腰、揺れてる」 「ん、らって」 「えっち」 「あ、ン」 「口でしながら、指で、お尻いじってる桜介さん」  だって、気持ちいい。 「やばいくらいエロい」  あ、ン。 「んんんっ」  クンって、翠伊くんが腰を小さく突き上げて僕の口の中をちょっとだけ擦り上げた。苦しくないくらいに、でも、ギリギリのところまで翠伊くんでいっぱいにされて、なんだか、ほら、蕩けてく。  翠伊くんの大きいのが口の中をいっぱいに独占してるの、気持ちいい。この、太いところで頬の内側を擦られると、中、を擦られてる時みたいにドキドキしてくる。  上顎を先っぽで擦られると、お腹の奥のところが熱くなって、痛くなって、きゅぅってするんだ。  翠伊くんのこの大きいのが欲しくなる。  奥のとこをこんなふうに、今、僕の口いっぱいに責めてくれるみたいに、たくさん、されたくなる。  この、大きいので。 「っ、やばいっ」  僕の奥を。 「桜介さんっ」  指じゃ、ね、届かないから。奥まで、翠伊くんで早く、いっぱいに――。 「離して、桜介さん」  やだよ。奥がいい。 「っ、イク」 「ン、ンンンンンっ」  ぎゅってしゃぶりついた瞬間、喉奥に、とろりとした熱いのがかけられて。 「ンっ……ンンっ」 「っ……やば」 「ン……」  僕も、イっちゃってた。 「ちょ、飲んじゃだめだってば、ぺってしてって」 「や」 「っ……」  翠伊くんがキュッて眉を寄せた。ちょっとえっちで、ちょっと険しくて、いつも朗らかでなんとなく飄々としていて、笑った顔がすごく素敵な人の、こんな表情を、今は僕だけが独占してるんだ。  なんて、すごいことなんだろう。 「翠伊くん……」  なんて、幸せなんだろう。 「もっと、したい、よ」  そっと、翠伊くんに背中を向けて、ベッドに手をついて、四つん這いになった。 「ここ……に」  それから、腰を高く掲げるように、顔をお布団の上に乗せて、お気に入りのランジェリーのリボンを横にもっとずらす。僕には見えないけれど、今、すごくすごく、すごい格好をしてるって想像すると、お尻がヒクヒクしちゃう。  恥ずかしい。 「ほんと、桜介さんってさ」 「あっ……」  恥ずかしいけど、ドキドキする。 「最初、あんなに辿々しかったのに」 「あ、翠伊くんっ」 「なんでそんな魔性かなぁ」 「あっ、ン……入っ」  恥ずかしいけど、でも、もうちゃんとは考えられなくなっちゃうんだ。 「俺、こんなじゃなかったんだけど」 「ぇ?」 「桜介さんのことは毎日、抱きたくなる」 「あっ! あぁぁぁっ」  もう翠伊くんのことが欲しくて、翠伊くんにたくさんしてもらうことしか考えられなくなっちゃうんだ。 「あっ……ンっ」 「えっち」 「あ、待っ、今、僕」  中にゆっくり、でも、力強く進んできてくれる熱いのを感じて、背中を逸らしたら、翠伊くんが僕のうなじにキスをしてくれた。ちゅって、音を立てて、そこがチリリって痛んで、翠伊くんが背中を丸めた拍子に中にある熱いのも、また奥の違うところを先っぽでグリって押し開けてきて。僕はキスと奥の両方に、お腹の奥がキュンキュンするくらいに感じちゃう。 「挿れただけで、イッちゃうなんて」 「あ、あっ、ひゃぁっ……あぁ、ン」 「桜介さん、エロすぎ」  あ、ほら、とろりってした。 「あ、ぁ……」 「イったばっかで、中、締め付け、やばっ」 「あぁン」  とろとろになる。 「やば……」  恥ずかしいこと、いっぱいしたくなる。 「あンっ、あ、ンっ、ひゃんっ」 「尻尾みたい」 「あ、やぁ……ン」 「桜介さんが腰揺らす度にランジェリーのボンボンが揺れてる」 「あ、あ、あ」  翠伊くんが興奮してくれるなら、なんでもする。  だって、僕。 「翠伊くん、翠伊くんっ」 「っ」 「あ、あ、気持ち、イっ」 「桜介さん」 「あぁっ、ダメ、乳首もしたら、ダメっ、僕っ」 「うん」 「あ、イッちゃうっ、また、イッっ」 「イッて? 桜介さん」 「あ、あ、ひゃ、やぁんっ、イクっ、あ、イクっ」 「一緒に」 「あっ」  翠伊くんのこと、すごくすごく。 「あっ、あぁぁぁぁぁっ」  好きなんだ。 「ね、桜介さんってさ」 「?」  明日はバーベキューなんだけど、また翠伊くんのこと夜更かしさせちゃった。 「明日はずっと俺の隣にいてよ?」 「うん」  翠伊くんは分かってないなぁ。翠伊くんの隣にいられるのは僕にとって、一番嬉しいことなのに。言われなくても、むしろしがみついてでもそこに居座るくらいなのに。 「キスマ、もっとつけておいた方が良かったかも。原さん、来るし。っていうか、原さんが招待してくれたし」 「うん。ふふ」 「いや、笑い事じゃないから。最近の桜介さんマジでやばいから」 「ふふふ」  なんだか僕は危険人物みたいだ。 「……はぁ、もう、無邪気に可愛く笑わないでよ」 「うん」 「わかってる?」 「うん」  だからそっと首を傾げた。 「? 桜介さん?」  ドラキュラにどうぞ召し上がれって差し出すみたいに。 「キスマーク」  君のものって印をくださいって、差し出した。 「あ、ひゃんっ」  その首筋に君がキスをくれる。 「付けちゃうからね」 「うん。付けて」 「……」 「翠伊くんのものになりたいから、嬉しい」 「っ」  僕にはずっと片想いをしていた人がいる。  とってもかっこ良くて、女の子にすごくモテて。挨拶の時に向けてくれる笑顔が太陽みたいな人。  そんな人と今、こうして恋人でいられて、一緒に住む約束というか計画まであったりして、本当に毎日が夢みたい、なんだ。夢の中ではたくさん妄想してた。翠伊くんと可愛い女の子が並んで歩いてるところを見かけては、いいなぁ、羨ましいなぁって思ってた。  あの翠伊くんの彼女でいられて。  翠伊くんに触ることができて。  独り占めとかもできたりして。  羨ましいなぁって。  だからね。 「ふふ」 「あぁもうっ」 「?」 「桜介さん、寝る気ある? ねぇっ」 「うん、あるよ」  だから、ぎゅーってしがみつくんだ。 「ないでしょ! 絶対に」  ぎゅーって、君を離したくないから、こうして。 「あるよ?」 「ない! 絶対に寝る気ないっ!」 「あるよー」  抱きついて、一ミリだって隙間は作らないんだ。 「ない! 全然っ」 「あるよー、ふふ」

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