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「きょうのあさの、みた? もちろんみたよね?──」 どのぐらいの時間が経っただろう。 一方的に話している最中、ぼくの言葉を遮るように目の前にハニワのおもちゃを差し出してくる。 今まで何の反応をしてこなかったものだから、急なことに目を丸くした。 「このおもちゃ、どうしたの?」 大河くんのしたいことがさっぱり分からない。 だから訊ねてみる。すると、大河くんが身体ごとこちらに向けたかと思うと、そのおもちゃを押し付けてきた。 「えっ、えっ?」 急になに? 何がしたいの? 驚きが先に出てしまい、押し付けられたおもちゃをどうしたらいいのかと訊くが前に再び背を向けてしまった。 渡されても何をして欲しいのか分からない。 おもちゃを抱える形となったぼくは、きょとんとした。 うるさいから黙ってて欲しいのか、このおもちゃが一番のお気に入りの物だから見せたかったのか。それとも。 「遊んで欲しいのかもしれませんね〜」 ソファで横たわっていた小口さんが持っていた携帯端末から目を離さないまま、不意にそう言ってきた。 遊んで欲しい? 「え、そうなの?」 「⋯⋯⋯」 本人に訊いた。けれども、"話すのが難しい"らしい大河くんは、自分のことで訊かれているとは思っていないように頷きもしなかった。 どうしたら、と小口さんの方を見ると、 「まぁ、待っててください」 ちらりと見た小口さんがそう言い残して、再び携帯端末に目を向けてしまった。 まってる? まっているだけでいいのかな⋯⋯。 どうしたらいいのか分からないまま、ぼくは一人で遊んでいるらしい大河くんの背中を困惑した目で見つめていたり、時折手慰めに持っているおもちゃをそっと撫でることをしていた。 そんな時。

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