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「伶介様。大河様のことを構ってあげている最中申し訳ありませんが、時間が来てしまいまして⋯⋯」 「えっ?」 そばに来ていた安野さんから告げられた言葉に、声を上げてしまった。が、「いいえ」とにっこりとした顔を見せた。 「こちらこそ、きちょうなおじかんをいただきありがとうございました」 「まぁ、ご丁寧に。さ、お父様方がお待ちですよ」 「はい。⋯⋯あ、ちょっとまってください」 首を傾げる安野さんを傍ら、後ろを振り返った。 「たいがくん。このおもちゃ、わたしてくれてありがとう。ぼく、じかんになっちゃったからかえるね。⋯⋯あとね、たいがくん。またあそびにきてもいい?」 ぼくは大河くんと仲良くしたいけれども、いる間目も合わせようとしない大河くんにとってはとっても迷惑な話で、もう来て欲しくないかもしれない。 今日初めてだから仕方ないことだけれど、遊ぶどころか仲良くなったとはっきりと言えない関係の相手から"遊ぶ"約束されても困る話だと思う。 ぼくから言っても、さっきと同じように何の反応もしない大河くんにやっぱり、なんでもないと告げようとした時。 「わたしが口を挟むのもなんですが、また来ていただけたらと思います。同い歳の方が遊びやすいでしょうし、何よりわたしの負担が減るので大変助かります」 「小口! 普段から何にもしてないあなたが何を言うんですか! そんなにも大河様のお世話をしたくないのでしたら、他の仕事を倍にしますからね!」 「うわ、またそんなことを言ってるんですか〜。安野さんがお世話したいからって、何かと理由つけて引き離そうとしないでくださいよ。大河さまはわたしがいいですよねぇ〜?」 うつ伏せに寝転がった小口さんは、振り向かずもいる大河くんに同意を求めるが、当の本人はうんともすんとも言わずにいた。

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