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「そういえば、大河君もこのアニメを観ているんだよね?」 「うん、そうみたいだけど⋯⋯おはなしができないから、はなせなくてざんねん」 「そうよね⋯⋯好きなものだからお話したいもんね」 「うん⋯⋯」 どうして話ができないのかよく分かってないから、余計にそう思ってしまう。 でも、それでも大河くんはぼくと遊んで欲しそうだった。 話はできなくても、遊ぶことはできる。けれども。 「伶介は大河君とお友達になりたいのでしょう?」 「うん! それでね、ぼくのともだちもともだちになってね、いっしょに『ハニワのだいこうしん!』をみたり、あそんだりしたい!」 「ふふ、それはとてもいいことね」 いいでしょとちょっと得意げな顔を見せた。 すると、笑っていた母が不意に微笑みにも似た真面目な顔つきをした。 「もしかしたらすぐにお友達になることも、話すことと同じくらい難しいかもしれない。でも、伶介が大河君とお友達になりたいって気持ちがあれば、きっとなれるわ」 「ほんとうに?」 「本当よ」 「でも、本当に迷惑そうだったら、無理にお友達になっちゃダメだからね」と付け加えた母の言葉にも「うん、わかった」と聞き逃さずに頷いた。 自分が仲良くしたいと思っていても、話ができない相手の気持ちが分からないから、どうしたら仲良くできるのか考えていた。 ほぼ一方的な形になるけれども、ぼくからいっぱい話してみて大河の反応を見てみよう。 おもちゃ渡した時に小口さんが待ってと言われたことをしてみればいい。 そうしたら、少なからず大河くんの気持ちが分かるかもしれない。

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