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大河くんは何を伝えたかったのか。 なんだろうと考えていたぼくは、不意に自分が言ったことを思い出した。 「たいがくん。もしかして、たいがくんのままをほめられて、うれしかったの?」 そう訊ねた。 どうなんだろうと、緊張と不安でいつもは気にならない心臓の音が間近に聞こえるのを感じながら、大河くんの反応を伺っていた。と、その時。 目をこれでもかと見せて、小さく口を開いた。 頷くといった行動をしなかったけれども、その様子で充分なほど分かった。 目は口ほどに物を言うといったものだ。 「⋯⋯⋯かわいい」 葉先から雫が零れ落ちるようにほぼ無意識に言った言葉にぼくは自分自身で驚いた。 何を、言っているのだろう。なんで今、その言葉が出たのだろう。 混乱していたぼくだったが、何か言ったのかといったように首を傾げる大河くんに誤魔化すように笑顔を見せた。 「ずっとみていたくなるびじんでもあるけど、かわいいもあるとおもう。たいがくんはままとにているから、たいがくんもびじんになるんだね。いいなぁ」 「⋯⋯⋯」 固く閉じていた唇をむにむにと動かした。 それは抱えている手も同様にもぞもぞというように動かしていた。 多分、大好きな母と似ていると言われて、嬉しくてくすぐったく思っているのだろう。 やっぱり、かわいいな。 表情を出すことも難しいのかと思っていたけど、今みたいにちょっと褒められただけで嬉しくて、ほっぺを赤くしてくれる。 そんな可愛らしい大河くんと友達になりたい。叶うならずっと一緒にいたい。

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