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ロイドが金髪の王子様に助けてもらってから一週間が経とうとしていた。彼がまた来てほしいと期待を抱いていたものの、一度も来てくれることはなかった。
きっと忙しいのかもしれない。けれども合間をぬって来てほしい、なんて勝手な願望もロイドの中にはあった。
今日こそはいてほしい。そう思ってそわそわしながらロイドはステージへと上がった。客全員に視線を向けるふりをしながら、彼の姿を探す。
「あっ……」
店の奥にあるバーカウンター、その奥の方の端にやけに輝かしく見える姿があった。彼が来ている。ロイドと視線が合うなり、彼はニコリと笑った。柔らかい笑みはやはり王子様としか思えない。
彼にまた素敵な歌を聴いてもらおう。よし、とロイドは心の中で言った。
一呼吸して音楽を流し始める。店のスピーカーからゆったりとした旋律が奏でられる。静かな音に合わせてロイドは歌詞を紡いでいく。
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