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 恐る恐る彼の方を見ると、ぽかんとしている姿があった。アンドロイドであることがばれてしまった。逃げ出したくなるのを必死で堪える。  だが次の瞬間、彼は大きく笑い出した。 「はははっ、君って面白いね!」 「へっ……?」 「堂々と美しい歌声を披露してたかと思ったら、喋ると可愛くて……。ははっ、こんなに個性的な人は初めてだ」  彼の笑いは止まらない。どうやらロイドのことを人間として認識しているようだ。  なんとかばれていないことにほっと一安心したロイド。だが、ドキドキとする感覚は静まることはなかった。 「おーい、ロイドー」  すると突然、後ろからロイドを呼ぶ声がした。  ロイドが振り返ると、そこにはたまにやってきて話しかけてくる常連客の姿があった。きっちりとしたスーツ姿ということは、仕事が終わってすぐ来てくれたのだろう。

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