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「分かりました。今度は僕があなたを助けます」
「ありがと、助かるよ!」
頭を上げた彼は、目を輝かせながらロイドの手を握ってきた。
その途端ロイドは再びドキドキとしてきた。すっかり忘れていたけれど、彼といるとずっと高揚感に似た状態が続くのだろう。常に壊れそうと思い続けても、彼を助けられるのであれば彼の頼みを優先させたい。
彼。そういえばロイドは大事なことを聞きそびれていた。
「あの……僕、名前を言ってない気がします」
「……そういえばそうだな。皆がロイドと呼んでたからすっかり名乗った気でいたよ」
「改めまして。僕はロイドです」
「俺はアンディだ。ロイド、しばらくの間世話になる」
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