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 アンディがロイドの家にやって来て、そろそろ一週間が経とうとしていた。  ロイドは今日も一人で仕事に出ていた。一週間前と変わったのは、帰宅した後のことだ。 「おかえり」 「……ただいま、です」  家のドアを開けると、アンディは必ず出迎えてくれた。どんなに夜遅くても、夕ごはんを作っていたと言って起きていたのだ。今まで経験していないことに、ロイドは帰宅のたびにドキリとしていた。  同時に、アンディに感謝もしていた。ただ家に置いてもらうのは申し訳ない、と、家事を代わりに全て引き受けると提案してきた。だが、全てをお願いするとアンドロイドであることがばれてしまう可能性があるため、アンディには料理だけ頼んだ。  アンディは今まで、自らの手で様々なことを行う生活をしており、その中でも料理は最も好きだと言っていた。実際にアンディの料理は、高級レストランを彷彿とさせる味わいだった。

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