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「いただきます!」
ロイドは手を合わせてからナイフとフォークを手に、丸められた肉を一口サイズに切る。ソースを撫でるようにそっと付け、口の中に入れる。
アンディが作った料理はとても美味しいと感じる。手作りだからという単純な理由かもしれないけれど、ロイドはこの瞬間が幸せでしょうがない。
「んー、今日も美味しいです。甘み、と言うんですか? 口の中でいっぱいにしたいです」
思わず出てくる感想を伝えることが、人間らしく生きていると感じるロイド。この一週間、アンディの料理を食べる時間は最高の瞬間であった。
「気に入ってもらえてよかったよ。今日のは自信作なんだ」
「アンディさんの自信作、とっても美味しいです! どれも美味しいですけど、今日が一番です」
「そうか……。作りがいがあって嬉しいな」
「アンディさんはたくさん料理ができてすごいです。お店を開けるのではないでしょうか?」
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