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「あー……それはないな」  怒った様子はないけれど、アンディの顔から笑みが消えた。何か気に障ることを言ったのではないかと不安になりつつも、ロイドは理由を知りたかった。 「それは、どうしてでしょうか……?」 「料理はあくまで趣味なんだ。楽しいだけで満足してる。だが、仕事にすると辛いことがどうしても出てきてしまう。それだけは絶対に嫌なんだ」  真剣な表情は、アンディの固い意志を示している。  ロイドは歌うという好きなことを仕事にしているが、言われてみれば面倒な客を相手にすることもある。辛いことが確かに発生していた。 「楽しいだけを感じたい、アンディさんの考えもいいかと思います。人それぞれですもんね」 「ああそうだな」  アンディにようやく笑顔が戻ってきた。ほっと安心したロイドは、再びアンディの手料理を食べ進めていった。

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